第五回
円塚山の木の間より、顕れ出たる作蔵ハ、元是犬塚惣好とて、一個の大丈夫なりけるが、犬塚信乃とハ兄弟のよしミを結び、互いに力を尽くしつっ、今日も信乃を送りて、古雅の道に至り、それより別れて帰り来る。
此山本の奇異人影、村雨と謂う嬌薬を所持の噂、殊に浜次にてありける故、先ず兎も角もと躍り出しが根龍ハ、呪文唱え、濱次諸共姿を隠し、忽ち行方を失いぬ、作蔵ハ本意なくも、辺りを見れバ佐茂二郎の陽物を手裏剣にて縫い即死して在りけれバ、さてハ此者濱次を盗ミいだせんならん。
大塚の家も心許無しと、急ぎ好六の許へ馳帰れバ、こハそも如何に好六始め男ども等ハ切り殺されて片息に、所の官吏の下司諸手五倍二、鼻息荒太と謂える両人、家内の女五人ほど、縛め好六の妻亀笹とて、今年三十四五歳なる色白き年増を座敷の只中に仰向かせ、
五「サァ亀笹、覚悟致せ、我々二人が望み掛けたるは濱次の男色、於信乃の色香一旦得心致したる、際に至って二人を隠し、恥欠かせたる此の始末、其の意趣晴らしに己を始め、女ハ残らずし殺すぞ」と言うより早く勃起すませし紫色の大物を、会釈も無く押付けるに、そもそも亀笹ハ心立てこそ悪しけれど、元来淫乱の大年増、また生得の妙開にて、毛ハ額際にのミ生えて、玉門の色白く少し桃色を含ミし風情、五倍二ハ憎々しく慰ミ突きに突き散らし、
「し殺しくれん」と懸かりしが、此の有様に心浮かれ、俄かに可愛ゆく為りしと視え、馬とも謂うべき一物をそろりそろりとあしらいかけ、乳を舐りさねを舐り、果てハ尻穴陰門とねぶり尽して、実の辺りを撫で上げ撫で上げ、九浅三深の秘術を尽くし、総身の力をへのこに入れ此処を先途どヽ行へバ、亀笹ハ泣声に、
亀「アヽアレアレヲヽイヽイヽ」ト持上げ持上げ嬌る故、五倍二ハ愈々浮かれ、亀笹の腰を掬い上げ、精心限り突き立てれバ、亀笹ハ絶入る斗り、
「アヽモゥモゥ死にます死にます」ト身を震ハして精を遣れバ、荒太も堪へず、縛めたる、女の中の新造を縄ひき解いて抱き寄せ、ぬっと突き出す一物ハ、彼の弓削氏の舌を巻いて、恐るべき様為るを、さも可愛ゆらしき玉門へ遠慮も押込めバ、
「アツ」ト一声乗出すを押え付けて、スカリスカリと抜差しすれバ、玉門の淵捲れ込み、また掻き出し、男ハ十分の喜悦なれども、女ハヒィヒィ片息にホロリホロリと泣くをも厭ハず、思いの儘に楽しむ風情、作蔵ハ此の体を見て、憤然と怒りを発し、忽ち躍り懸かって五倍二を一刀両断となし、
「是ハ」
驚く荒太をも、左の肩先より右の乳下まで切り下げたり。
此処において亀笹ハ始めて酔いの醒めたる如く、多くの死骸に厭きれ惑い、暫くものも謂ハざりしが、作蔵に向かって恨めしげに言いけるハ、
亀「コレ作蔵、其方ハマァ大胆な事を仕出かしたが、其れで身分が立とうと思うか。好六殿ハお年の上、諦めもするけれど、敵と思う五倍二殿、色にことよせ私の手で討とうと思った其の所へ、何故指図も待たず手を出した」と、言う亀笹の心を悟り、
作「成る程、これハ私が粗相、どうぞ御容赦なされませ」ト、言い乍ら女共に向い、
作「コレ女中衆、何故御内室様の身代りに身を穢さぬのだ。アノ五倍二が恐ろしいもので、ヤレヤレ御可哀想に。今も死ぬ死ぬとおっしゃる程のお苦しミ。サァ貴様達、御内室の様な目に、逢うたら如何する気だ、余りと謂えバ不忠の至り、以後の見せしめこうして呉れる」ト、二十二三の女の縄、解くより速く作蔵が、黒光りなる業物を一目散にズブズブズブズブ、二三度腰を使うや否や、其れから抜き上げ口元をチョコチョコ擦りて首斗りを入るるも秘伝。
彼の女ハ先刻よりして亀笹の、よがりに心の乱れし最中、罪科の情けと喜ぶ内心、表向きてハ、
「アレマァ無体なヱヽ悔しい」
ハァハァスゥスゥ眼を瞑り、
「ヲヽソレソレ」
ドックドックと気を遣れバ、作蔵ハ直ぐにまた、外の四人を片端より選び、綺麗を尽せし、腰元に躍り懸かって、次第にとぼし、終に五人に気を遣ら益々勢い盛んにし、再び
「何れの女を犯し呉れん」と、視回せバ、亀笹ハ只今まで、五人のよがり羨まししく、涎を流し狂乱の如く一人焦るを見るよりも
「いでいでとゞめを挿し呉れん」とやがて亀笹の上に乗り掛かれバ、女ハ嬉しくしがみ付き、
亀「ノゥ作蔵、どうぞ何事も堪忍して、気を遣らして下され」と、あからさまに言いけれバ、
作蔵「心得たり」と、亀笹の玉門を突破る斗りを精心を励まして、其身も既に精漏時節、眼をねぶって
「ハァハァフゥフゥアレアレ」ト齧り付き、女ハ始終夢中となり、汗を流して精汁を龍土水にて弾くが如く、二人ハ一緒にドクドクドク。
繋る所え官の司、大勢を連れ来たり、作蔵を引立って役所へこそハ帰り行く。