2004/2/15 2/15 2/15 2/17 2/19 2/21 2/21 2/21 投稿者・ritonjp

    葉男婦舞喜(はなふぶき) 上巻

     序文

 常陸帯の猫じゃらしに、結ぶ縁は鼠取らずの名に立つべく、筑紫鍋の煮て堅めたる事も無ければ、仕得され損も、其の時の廻り合せ。
 煩悩の犬も歩けばぼぼにあたる。
 まらの運も天にあり。
 棚の牡丹餅へのこ附けたら猶よかろうと、男日照りせし女の股座、乾く間も無き置炬燵、
「若後家の精進落ちに納所坊の口を吸物」

 心にもあらで、憂世に永らえう身の甲斐無しと、斬捨てたる、丈の黒髪も過ぎ去りし夫の為とて、ふたつ髷に思いの種を残しつるも果ては其の仏の結句黄泉の障りとならん。
 尼法師とも為らぬ身は終に此の切髪の艶をいだし、梅花の油に抹香の匂いを遠ざけ、透き通る櫛の照りに、数珠の玉の光を失う、初めての操、浮名を流す種と為るは、世の後家の身の慣わしにや。
 此処に其の所は何処か、不知火の筑紫の果てより、雲井路の奥迄も隠れ無き満福屋何某と云える富貴の主、身罷りて後、妻のお悦、総領息子のいとけなきを名跡とし、其の身、後家を守りて、命日・忌日の寺参り怠らず。
 今日しも下女・子供達引連れて墓所に詣で、香華を手向け、涙の露は閼伽棚を滴る斗り。
 思い残して方丈に打通れば、一旦那のもてなし。
 お茶に菓子よと納所坊の指図によりて。
 此処の新参、名を右門と言える小姓未だ十五六歳の角前髪、愛嬌は目元に零れ、取り回し淑やか為るが、茶等運び給仕するには、後家お悦、是迄道心堅固に身を守りしが、ふと此の右門が美しきに、心動き思わず見れば、見返す顔の可愛らしさ。
 互いに上気し何と無く、心ときめく所え、納所坊罷出、
「和尚、只今、本坊へ参られ、最早帰院に間も有るまじ。
 暫く是にて御休息、粗末乍ら御酒一献」と盃を取出し、精進酒に持て成しければ、お悦も右門の酌にめでて、つい一口二口飲み、あいの、押さえと取り交わす盃に、納所坊茹蛸の如くなりて、抹香臭き洒落等言い散らし、面白可笑しく酔いが廻り
「最早此の肴も珍らしからず。今一種申し附けん」と座敷を立ち、勝手へ行き、其の跡には後家と右門と差向い、互いに見交わす目の内に籠る思いの穂に出でて、お悦は頻りに院気発し
「月毎に此の寺に参り乍ら貴方の様な、可愛らしいお若衆には何とて、御目に懸からぬやら。定めて御院主様のお寝間の花。男同士の契りはお楽しみも片手落ちな物とと聞く。本当の色事は男と女が此の様に」と厚かましきも酒機嫌、凭れ懸りて手を握られ、右門は只気の毒そうに顔赤らめ
「今に弟子達のお出でになれば、離し給え。人の目に懸りなば、互いの身の上」と強くも言えず、うじうじするを、お悦は、早やとりのぼせ、
「後家の身で恥しい。此の体も思い余りての事為れば、早よう情のお詞を」と、いだきつきて桜色のほうべたをこすりつけ、白綸子の下着やら太股やら、判らぬ程の雪の肌、あらわになりて身をあせる。
 右門も顔は火の如く成りて、怖さ半分跡ひょりこじょり、遁れんとするに放さばこそ、お悦は次第に鼻息荒く首筋に取付き、口を吸う。
「ヱヽモゥ、どうも」と答え兼ねて、右門が手を取り股座へ宛がい、我が手を持ち沿へくじらして、出し掛ける淫水は凍解の如く、
「アレ何故じらしなさる。はやくはやく」と、尻をもじもじ。
 男の肩先にくいつき、身を震わし、嫌がる右門が股座へ無理に手を押込み、いじり廻せどコハ如何に、観掛けは男。
 まらは無く膨れ挙がりし、さねがしら、手に障ればお悦はびっくり力を落とし
「是は不思議」とあきるる斗り、理なる哉。
 此の寺の和尚、近所の娘をちょろまかし、小姓に仕立、引込み置きしと、知らぬが仏、お悦はあったら気を揉みて本意なしげ見ゆる。
 時分はよしと、兼ねて巧し納所坊、味噌擂り坊主の願哲と囁き合うて次の間より
「右門殿」と、呼ぶ声に、驚いて走り去る。
 跡へ納所坊入れ替わり物も云わずお悦に抱き付き押し倒し、節くれだちし大へのこをさねの裏にどっさり置けば先程より淫気あふれ、気を悪くせしお悦が股ぐら、今は男の善し悪しを構はばこそ、まらと見るより鼻鳴らし、坊主頭に両手をかけ、ひき〆るを
「心得た」と先ず手をやって探り見るに、久々徒然のさねがしらびくびく動き、ふっさりとせし毛際、にちゃくちゃしてとろろ汁零せし如く、くじる間もこたえられず、納所坊が大まらより弾き出す淫水に、はや上水撥ねたれば、二の返し肝心なりとか、際迄ぞろりと入れ、うはづらをちょこちょここすり、深く突かねば、お悦は夢中に取乱し、納所が髭だらけの口を吸い、舌をしごき、或はくいつき
「ハアハアスウスゥ、ソレソコソコ、御出家の役目に速く根迄入れて、往生させて。アレモウどうも、死にます死にます」と大よがり。

 次の間には弟子坊願哲、
「右門殿、アレ見給えアレァレ」と襖越しに覗かせて、気を悪くさせ、おっこかし無二無三に入れかけるに、是右門も先刻より、夢中に為りて玉門うづき、淫気さかんに発熱し、持ち上げ持ち上げ身もだへ
「ハァハァムヽムヽソレどうもふふいくいくいく」と、悦喜の体。
 願哲は頭から、ぐっと毛際迄押込み、大腰にさっくさっくと捏ね廻し、十分によがらせて、スゥット抜き、雁際ばかりをひょこつかす。
 右門は猶もしがみつき、
「和尚様の萎びたよりは、いっそ太くてソレ其の様に、ァレもう又、いくアヽヲヽ可愛い、いくよいくいくいく。息が切れる、口を吸わせて、チュウチュウチュウ」のたうち廻りて、食付くやらかきつくやら、破目を外しての大悦がり。
 思わず隔ての襖はばったり、見合す顔はお納所、願哲
「言い合せた通り上首尾」
「ハァお互いに」
「ソレいくいく」
 スポスポびちゃびちゃぐちゃぐちゃ、始終の様子を勝手より、お悦が供の下女、伺い見て堪えられず、丁稚の長松が柏ちんぽをひねくり回し、たくし込んで我独り
「スゥスゥハァハァ」辺り構はぬ大よがり。
 台所の久助、門前の花売り婆を引き摺り込んで、釜の前にちょこちょこ為ってやらかせば、庭の白犬目を覚まし、雌猫を咥えておっこかし、クンクン言ってつるむにぞ。
 鼬、是を見て鶏の巣へ駆け上がり雌鳥の尻から嵌めて、キュウキュウよがる。
 屋根には雀の尻べたを、烏が突けば鳶とろろ汁零した如く、奥座敷より勝手迄ぬらめき渡り、びちゃびちゃぐしゃぐしゃ床は一度にゆっさゆっさ懸かる所へ此の寺の和尚立ち帰り
「ハハァ、なんじゃぼぼの会に寺を貸したか、座敷料は、〆た、儲けた儲けた」

    「葉男婦舞喜」はなふぶき 中巻

        本文

「大雁高の矢次速も遅れを取る油断大開(おほぼぼ)
 去る大家の姫君、御性質大兵の渡らせ給い、御丈の高さ六尺余り。
 殊に肥太せられ、御尻は立臼の如く、夫れに順じ御玉門の広さ洞穴に等しければ、何方へも御縁談かなはず。
 其癖淫婦にて渡らせ給へけれども、常体のまら間にあはず。
 此頃張形の細工人を、召抱えられ、廻り八寸長さ一尺三寸の御注文にて、御張形出来につき、細工人助平申し上げるは
「惣而そうじて張形は仕様つかいよう専一為り、縁ををこする時は雁首を斜めになし、うはづらをつく時は鈴口を平らになす。又、奥をつくに口伝あり。願はくは某それがし、直に是をつかいて、御よがらせ申すべし。」との事なれば、お局其の由を伺うに、早速御免あって、その夜御寝間へ召しければ、細工人助平大きに悦び、かの張形を恭々しく台に乗せて持ち出で、遥かに姫君えを見奉るに御容態こそ大柄に渡られ給へど、御顔は玉の如く光り、淫婦の性、御眦に涙を含み給うは、誠に男の心を迷わす御性質。
 恥しげに張形を御覧あり、笑みを含み給うか可愛しさ。
 助平、其用意をなし
「いざ」と進め奉る。
 姫君白綾の湯具をはねのけられ、雪の如きふとももを開らかせられ、
「はやはや」と急き込み給う。
 助平兼ねて用意せし、紅毛のゴテレツと云う妙薬をそっと指に塗り付け
「恐れながら」と御玉門つびをくじり参らせければ、妙薬の奇瑞、御顔炎の如く、助平に抱き付き給うを、何思いけん助平、かの張形を脇に押しやり、姫君の御股座へぐっと割り込み、己が大まらを御玉門の口にあてがう。
 姫君驚いて見給へば、此男根へのこ御注文の張形より、格別に大きく、紫立ちて雁首高く、胴中にずっきずっきと小波の如き脈を打ち、頭をもたげ玉門を窺う其の勢い。
 姫君ぞっとし給う程におぼしめし
姫「さてもさても、そなたのへのこは珍らしい。張形よりは、生きたまらのの味あい、さぞ、美味しかろう」と御意は善し、下地は好きなり
「恐れながら、御試み下さるべし」と先ず、頭斗り入れてぴこぴこさするに
姫君「ヒィ」
 泣き出し給い、助平が首筋にしがみ付き、持ち上げ持ち上げ
「最チット入れて」とのたまい時、助平は嵌めながら、姫君の帯を解き、御召物を撥ね除け、裸となし奉り、其の身も褌まで外して御肌に確りとしがみ付き、二つ三つこずき立てて、其の儘一目散に入れ懸かるに、御顔を顰め
「静かに入れや、痛い痛い」と乗り出で給うを抱〆抱〆雁首にて、御さねの下をちょいちょいとこするにつれて、あたたかな淫水湧き出れば助平やがてぐうぐつと押し込み、子宮(こつぼ)に鈴口の当たるを合図に、びくりびくりえと腰を遣い、或いは深く或いは浅く、ずぼりぞぼりと音のする心地よさ。
 姫君は片息に為り給い、御口を寄せられ舌一杯に出して、吸わせ給う有り難さ。
 御玉門ぼぼ広き故に是迄堪能し給う事なく、出来合の張形にてこそぐるばかりに生物の味はいは、今が初めての事為れば、幾度となく気を遣り給い、助平が身体、骨もひしげるばかりに抱き竦めさせられ、歯糞だらけの口、吸い続けにし給い
「ノウ、情けない、今、十度目がいきかかりしに、何故に抜きやった。抜かずに遣らしてたべ」と、むしゃぶりつき泣給う。
 助平わざとへのこを入れず、又、かの薬を手に塗り付け、御ぼぼの中へとっくりと塗廻し
「暫く其れにて、御休み」と褥の上に寝かし申せば、薬の奇特むづ痒く、玉門中いきりてたへがたければ、姫君は只狂気の如くおぐしも乱れ、其処ら中のた打廻り、
「ヱヽもう、アレアレ、助平是はどうしやる。抜いた跡迄此のよさは、もうもういっそ死ぬようだ。ソレソレそんなに、淫水のとどめがない。アヽアヽ是ではもう命も有るまい。とてもの事に、はよう殺しして殺して」と、おんぼぼを其処いら中へすりつけすりつけ、大声挙げてわめき給う。
 助平少しも騒がず、静かに紙を揉みて、開中をふき拭い、我がまらのぬらめきを、ふきてそろそろと、御召物をたたみ御尻の下へおしかい、御足を持って我横腹に押し当て、ぐつと割込み中腰に為り、鈴口にて御臍の辺りより、其処らちょいちょい突き回し、入れる振りして、わざと脇へ素股を食わせ、ずっと入れてはちょいと抜き、ちょいとついては暫く休み、或いは止めて、ちょちょちょちょいと突立、突立、姫君の御煙管を取って吸いつけ、煙草呑みながら、へのこの出入を見物し、十分に御気を持たせ奉れば、姫君は正体なく、よがり草臥れ、ぐんにゃりとならせられ
「ヒィヒィ」の御声いと幽かに聞ゆる斗り、助平今は是迄、是からは我が楽しみ、存分に気を遣らんと、御首筋へ手をかけて引寄せ、太白餅の如く甘き御口をとっくりと吸い、へのこの毛際までおしこみ、こつぼへ届かせ、さっくさっくと捏ね廻し、やがて助平男泣きに啼き出し
「ソァソアムヽムヽ是は堪らぬ。出し入れのたびごとに、ぼぼの口締りて、雁首をしごき、〆つけるは巾着ぼぼ、こつぼ開きて鈴口へくいつき、開中左右のびらびら棹をこする其の心地よさ。さても此様な名開も有るものか。ソレソレ参ります、御一緒に御遣り遊ばせ。アァアァムムムム、ソレソレ、ハァハァいく、いきますいきます」と、弾き出す淫汁どろどろと流れ出れば、暫く腰を休めて息をつぎ、助平大悦び
「大方是からは我がまらへも御知行下され。立身出世は望み次第。有難や忝なや」と、心は有頂天になり、奉公初めの事なれば、今一つ蒸し返して御機嫌を取らんと、又そろそろ腰を遣う。
 姫君最早堪能したれば、
「へのこ抜きや」と御意に任せ、引き抜いて押し拭う。
 其の時姫君、助平を褥の外へ遠ざけ給い、御声を改め仰せけるは、
「みずからの玉門広き故に、是迄生物の味知らず、せめて一度此のぼぼに合うまらを食べて見たいとの願いも、今宵そなたの大まらにて、男の味も知り、年頃の望みも叶うたれば、最早此上の願いには、尼法師ともなり、懸かる因果の身を懲らす願いなれば、是より其方には永の暇を遣わすあいだ、はようたって、さがりゃ、さがりゃ」

中巻 終 下巻へ

相生源氏-北嵯峨の巻 初寝の巻 室町の巻 返り花の巻 過去の巻 変詐の巻 地蔵堂の巻 古今伝授の巻 惚薬之巻 丑の時詣の巻 
開好記 男壮里見八見傳@ A B C D E 開談夜能殿 上   口吸心久茎 閨中大機関 錦木草紙 此の糸 
四季情歓語花暦-天之巻@ A  地之巻-前 人之巻 葉男婦舞喜上-中  愛-絆集 TOP頁