子夜四時歌 李 白 目録
子夜呉歌 其一
秦地羅敷女 秦地しんちの羅敷女らふじょ
采桑告邊 桑を採る 緑水りょくすいの辺ほとり
素手青條上 素手そしゅ 青條せいじょうの上
紅妝白日鮮 紅粧こうしょう 白日はくじつ鮮やかなり
蠶飢妾欲去 蚕かいこ飢えて 妾去らんと欲す
五馬莫留連 五馬ごば 留連りゅうれんすること莫なかれ
子夜呉歌 其二
鏡湖三百里 鏡湖 三百里
邯鄲發荷花 かんたん 荷花かかを発ひらく
五月西施采 五月 西施 採る
人看隘若耶 人は看て若耶じゃくやを隘せましとす
回舟不待月 舟を回らして月を待たず
歸去越王家 帰り去る 越王の家
子夜呉歌 其三
長安一片月 長安 一片の月
萬戸擣衣聲 萬戸 衣を擣つの声
秋風吹不盡 秋風 吹いて尽きず
總是玉關情 総て是れ 玉関の情
何日平胡虜 何れの日か胡虜を平らげて
良人罷遠征 良人 遠征を罷めん
子夜呉歌 其四
明朝驛使發 明朝 駅使発せん
一夜絮征袍 一夜 征袍せいほうに絮じょす
素手抽鍼冷 素手 針を抽ひくこと冷やかに
那堪把剪刀 那んぞ剪刀を把とるに堪えんや
裁縫寄遠道 裁縫して遠道に寄す
幾日到臨涛 幾日か臨とうに到らん