山 行 杜牧(晩唐)
遠上寒山石径斜 遠く寒山に上れば 石径斜めなり
白雲生処有人家 白雲生ずる処 人家有り
停車坐愛楓林晩 車を停めて坐そぞろに愛す楓林の晩くれ
霜葉紅於二月花 霜葉は 二月の花よりも紅なり
我愛山中月 我は愛す 山中の月
烱然掛疎林 烱然として 疎林に掛かるを
為憐幽独人 幽独の人を憐むが為に
流光散衣襟 流光 衣襟に散ず
我心本如月 我が心 本もと月の如く
月亦如我心 月も亦 我が心の如し
心月両相照 心と月と両ふたつながら相照らし
清夜長相尋 清夜長とこしえに相尋ぬ
山中問答 問余何意棲碧山笑而不答心自閑 桃花流水穴然去 別有天地非人間 |
李 白 余に問う 何の意ありてか碧山に棲むかと笑って答えず 心 自おのずから閑なり 桃花 流水 穴然ようぜんとして去る 別に天地の人間じんかんに非あらざる有り |
両人対酌山花開 両人対酌すれば 山花開く
一杯一杯復一杯 一杯 一杯 また一杯
我酔欲眠卿且去 我酔うて眠らんと欲す 君しばらく去れ
明朝有意抱琴来 明朝 意有らば 琴を抱いて来たれ