現代通俗詩 [索引] [書架]

 中華

滾滾黄河、
浩浩長江。
巍巍中華、
屹立東方。
文明古國、
禮儀之邦。
傳統美德、
源遠流長。



滾滾たる黄河、
浩浩たる長江。
巍巍たる中華は、
東方に屹立す。
文明の古國、禮儀の邦。
美德を傳統とす、
源は遠く流れは長し。

 中華

欣逢盛世、
改革開放。
政通人和、
百業興旺。
道德建設、
民心所向。
文明新風、
神州蕩漾。



盛んなる世に欣よろこび逢ふ、
改革開放さる。
まつりごと通じ人和して、
百業興旺す。
道德建設は、
民心の向ふ所。
文明の新風は、
神州に蕩漾たうやうす。

 元宵
在米留學生・朱海洪
東風拂面催桃李、
鷂鷹舒翅展鵬程。
玉盤照海下熱涙、
遊子登臺思故國。
休負平生報國志、
人民有我勝萬金。
憤起直追振華夏、
且待神洲遍地春。



東風面を拂ひて桃李を催うながし、
鷂鷹翅を舒ひろげて鵬程を展ず。
玉盤海を照らせば熱涙下り、
遊子臺に登りて故國を思ふ。
そむくを休めよ平生報國の志、
人民我有りて萬金に勝まさる。
憤起して直ちに追へ華夏を振はすを、
しばし待て神洲地に遍あまねき春を。

 歴史朝代歌

唐堯虞舜夏商周、
春秋戰國亂悠悠。
秦漢三國晉統一、
南朝北朝是對頭。
隋唐五代又十國、
宋元明清帝王休。



唐堯虞舜夏商周、
春秋戰國亂れて悠悠。
秦漢三國晉統一し、
南朝北朝是れ對頭。
隋唐五代又た十國、
宋元明清帝王休む。

 何日君再來
民國・晏如
好花不常開、
好景不常在。
愁堆解笑眉、
涙洒相思帶。
今宵離別後、
何日君再來。
喝完了這杯、
請進點小菜。
人生難得幾回醉、
不歡更何待。
今宵離別後、
何日君再來。

 何いづれの日か君再び來たる

好き花は常には開かず、
好き景は常には在らず。
愁ひは堆つもれど笑眉を解く、
涙は洒そそぐ相思の帶。
今宵離別の後、
いづれの日か君再び來たらん。
の杯を喝み完しては、
請ふ小菜を進むること點いささかばかりを。
人生得難かたし幾回か醉ふを、
よろこばずして更に何をか待たん。
今宵離別の後、
何日君再び來たらんや。

公共食堂前途無量 凌志軍
 公共食堂は前途無量だ
休息鐘聲響、
我們進食堂。
喫了一口飯、
沙子滿牙床。
品嘗蔬菜味、
靑草菜裡藏。
放下一雙筷、
又去春耕忙。
昼休みの鐘が鳴り渡ったので、
わたしたちは、食堂へ入っていった。
ご飯を一口食べたら、
砂粒が口の中に、いっぱいに広がった。
野菜を味わえば、
草が、おかずの中に隠れていた。
お箸を置いて、
またもや慌ただしく春の農作業に出かけていった。

 送別
李叔同
長亭外、古道邊、
芳草碧連天。
晩風拂柳笛聲殘、
夕陽山外山。
天之涯、地之角、
知交半零落。
一觚濁酒盡餘歡、
今宵別夢寒。



長亭の外はづれ、古道の邊あたり
芳草碧みどり天に連なる。
晩風は柳を拂はらひ笛聲殘すたりて、
夕陽は山外の山。
天の涯はて、地の角すみに、
知交半なかば零落す。
一觚の濁酒餘歡を盡つくせど、
今宵別夢寒からん。

 謎語

五湖四海一美人、
十五十六正青春。
二十七八得了病、
三十歳上命歸陰。



五湖四海一の美人にて、
十五、十六正に青春。
二十七、八病を得
三十歳に上り命陰に歸す。

 六四民運
現代
遙遠的東方
有一條江、
它的名字就叫長江。
遙遠的東方
有一條河、
它的名字就叫黄河。
雖不曾看見長江美、
夢裡常神遊長江水。
雖不曾聽見長江壯、
澎湃洶湧在夢裏。

古老的東方
有一條龍、
它的名字就叫中國。
古老的東方
有一群人、
他們全都
是龍的傳人。
巨龍脚底下我成長、
長成以後
是龍的傳人。
黑眼睛黑頭髮
黄皮膚、
永永遠遠
是龍的傳人。



遙か遠い東方に
一筋の江があり、
その名は長江という。
遙か遠い東方に
一本の河があり、
その名は黄河という。
長江の美しさを見たことがないものも、
夢では常に思いを長江の水に馳せている。
長江の雄々しさを聴いたことがないものも、
夢では澎湃と波が湧き起こっている。

昔東方に
一匹の龍がおり、
その名は中國という。
昔東方に
一群の人がおり、
彼らは全て
龍の子孫である。
巨龍の脚底でわたしは育ち、
成長しては
龍の子孫となった。
黑い眼黑い頭髮
黄いろい皮膚で、
永遠にいついつまでも
龍の子孫である。

讚美歌 平安夜

平安夜、聖善夜、
萬暗中、光華射、
照著聖母
也照著聖嬰、
多少慈祥
也多少天眞。
靜享天賜安眠、
靜享天賜安眠。

 平安なる夜

平安なる夜、聖なる善き夜、
萬暗の中、光華くゎうくゎし、
聖母を照らしをり
た聖嬰せいえいを照らしをり、
多少の慈祥じしゃう
た多少の天真ぞ。
靜かに天賜てんしの安眠を享け、
靜かに天賜てんしの安眠を享く。

 きよしこの夜

きよしこの夜
星は光り

すくひの御子は
御母の胸に

ねむりたまふ
夢やすく

搖啊搖、搖到外婆橋
 漕いで漕いで、おばあちゃんの橋のところまで行った
搖啊搖、
搖到外婆橋、
外婆叫我好寶寶、
我叫外婆洋泡泡、
外婆罵我小赤佬
こいで、こいで
おばあちゃんの橋のところまでいった、
お婆ちゃんは、私を「いいこ」というけれど、
私は、おばあちゃんを「風船ガム」という、
おばあちゃんは、私を「悪い子」としかった

説假話年代
韶華
廿載荒唐言、
無盡辛酸涙。
莫怪蒼生癡、
皆因言獲罪。



廿載にふさい荒唐くゎうたうの言、
くること無し辛酸の涙。
怪しむ莫なかれ蒼生さうせいは癡なりと、
皆言はば罪を獲んことに因る。

太陽城札記 愛情
北島
恬靜.雁羣飛過
荒蕪的處女地
老樹倒下了、
嘎然一聲空中飄
落着鹹渋的雨



靜かである.雁の群が飛び去ってゆく
荒れはてた処女地
老いた木が倒れてきて、
ガラガラと音をたて空そらから
塩辛くて渋い雨が漂い落ちてきた

 夜來香
黎錦光
那南風吹來淸涼、
那夜鶯啼聲悽愴。
月下的花兒都入夢、
只有那夜來香、
吐露著芬芳。
我愛這夜色茫茫、
也愛這夜鶯歌唱。
更愛那花一般的夢、
擁抱著夜來香、
吻著夜來香。
夜來香、
我爲你歌唱、
夜來香、
我爲你思量。
我爲你歌唱、
我爲你思量。
夜來香、夜來香、
夜來香。



あの南風が吹いて来て淸しくなり、
あの夜鶯の啼き聲はもの寂しげである。
月下の花は都すべて寝附いたが、
只だあの夜來香だけは起きていて、
よい香りを吐いている。
わたしはこの夜の風情が深まっていくのを愛し、
この夜鶯の歌をも愛する。
更にあの花と同様な夢を愛する、それは
夜來香に抱いだかれ続け、
夜來香に口づけをされ続けていることだ
夜來香、
わたしはあなたのために歌い、
夜來香、
わたしはあなたのために思案する。
わたしはあなたのために歌い、
わたしはあなたのために思案する。
夜來香よ、夜來香よ、
夜來香よ。


面朝大海、春暖花開 海子
     海に向かえば、心こころなごむ春
從明天起、
做一個幸福的人
喂馬、劈柴、
周遊世界

從明天起、
關心糧食和蔬菜
我有一所房子、
面朝大海、
春暖花開

從明天起、
和毎一個親人通信
告訴他們我的幸福
那幸福的閃電
告訴我的
我將告訴毎一個人

給毎一條河毎一座山
取一個温暖的名字
陌生人、
我也爲你祝福
願你有一個
燦爛的前程
願你有情人終成眷屬
願你在塵世獲得幸福
我只願面朝大海、
春暖花開
明日からは、
一人の幸せな人になろう。
馬を飼って、薪を割って、
世界を回ろう。

明日からは、
ご飯やおかずに関心を持とう。
わたしは、家を一軒持っている。
心和なご
海に面した。

明日からは、
親しい人一人ずつに便りを出そう。
彼等にわたしの幸せを告げるんだ。
あの幸福の稲妻いなづまの一瞬が、
わたしに教えている。
わたしは、一人ひとりに告げていこう。

一筋の川ごとに、一山ごとに、
あたたかい名前を附けよう。
見知らぬ人よ、
わたしも、あなたのために祝福しよう:
願わくは、あなたに
輝かしい前途がありますように。
願わくは(あなた)が恋人と最後に家族となるよう
願わくは(あなた)が現世で幸福を獲得するよう
わたしは、ただ、心和なごむ海に向かうことさえできればいい。


 致橡樹 舒婷 橡の樹によせる詩

我如果愛你--
絶不像攀援的凌霄花
借你的高枝炫耀自己

我如果愛你--
絶不學癡情的鳥兒、
爲綠蔭
重複單調的歌曲;
也不止像泉源、
常年送來清涼的慰藉
也不止像險峰、
增加你的高度、
襯托你的威儀。
甚至日光。
甚至春雨。
不、這些都還不夠!
我必須是你近傍的
一株木棉做爲樹的
形象和你站在一起。

根、緊握在地下、
葉、相觸在雲裏。
毎一陣風過、
我們都互相致意、
但沒有人
聽懂我們的言語。
你有你的銅枝鐵幹、
像刀、像劍、也像戟、

我有我的紅碩花朶、
像沈重的嘆息、
又像英勇的火炬、
我們分擔寒潮、
風雷、霹靂;
我們共享霧靄、
流嵐、虹霓、
彷彿永遠分離、
卻又終身相依、
這才是偉大的愛情、
堅貞就在這裏:
不僅愛你偉岸的身驅

也愛你堅持的位置、
脚下的土地。


私があなたを愛するとしたら
決して計算高い凌霄花のように蔦を張り
あなたの高枝にあやかって咲くことはしない

私があなたを愛するとしたら
決して恋狂いの小鳥のように
あなたのつくる緑陰を慕い
単純な唄をひたすらさえずりはしない
そして溢れる泉のように
いつも涼やかな癒しを注ぐだけでなく
また険しい峰のように
あなたの高潔な
生き方を支えるだけでなく
降り注ぐ陽の光でさえ、
優しい春の雨でさえ
違う、これだけでは足りない―
私はあなたの傍らに佇む
コリシア一本の樹の姿で
共に生きたい

根は堅く地中に張り結び
葉は広く雲間に相い繁らせ
風が通り過ぎるたび
私たちは想いを交わす
けれど誰も
交わされた言葉の意味をわかりはしない
あなたは鋼のような幹や枝を誇りそれは
刀のようで剣のようで、また戟にも似る

私は私で真紅の花を咲かせ
それは深い吐息を思わせ、
また英雄の掲ぐ聖火にも似る
願わくばその強さで
寒波も嵐も霹靂も
手をとりあって乗り越え
慈雨も虹も朝霧も睦みあって共に享受したい
永久に「ひとつ」にはなれない、
けれど生命ある限り寄り添いあう
これこそ、愛の偉大さ
堅い誓いがここにはある
愛すること(あなた)の立派で威厳な体だけではない

あなたが立ち続けると決めた場所
その足元の土までも私は、愛する


 詠秋競雄
七忘齋主人
 有餘年前、
慘烈軒亭口。
俠女魂魄去、
士人愧其憂。
出身逢亂世、
飄蓬度春秋。
心較男兒烈、
京華苦淹留。
一朝三島去、
求新覓自由。
寶刀千金置、
浩氣衝斗牛。
念念家國恨、
烈烈返神州。
秉志求光復、
奮勇做先頭。
辦報傳眞理、
學堂喚同儔。
作歌勉女權、
豈可居牛後!
事敗空餘恨、
絶筆意未休。
詩篇如大戟、
碧血化洪流。
匆匆過四載、
武昌功成就。
百有餘年後、
感君風雨愁。

 秋競雄を詠ふ

百有餘年前ぜん
慘烈さんれつたり軒亭口けんていこう
俠女けふぢょの魂魄こんぱく去りて、
士人其の憂うれひを愧づ。
身は出でて亂世に逢ひ、
飄蓬へうほうとして春秋を度わたる。
心は男兒較りも烈しく、
京華に淹留えんりうを苦しむ。
一朝いってう三島さんたうに去り、
しんを求めて自由を覓もとむ。
寶刀はうたう千金を置き、
浩氣かうき斗牛とぎうを衝く。
念念家國かこくの恨、
烈烈れつれつとして神州に返かへる。
志を秉ちて光復くゎうふくを求め、
奮勇ふんゆうして先頭と做る。
報に辦つとめて眞理を傳へ、
學堂同儔どうちうを喚ぶ。
歌を作りて女權に勉つとめ、
あに牛後ぎうごに居す可けんや!
こと敗れて餘恨よこんむなしく、
絶筆意未だ休まず。
詩篇は大戟たいげきの如く、
碧血へきけつは洪流と化す。
匆匆そうそうとして四載過ぎ、
武昌ぶしゃうに功は成就す。
百有餘年の後のち
君に感じて風雨愁うれふ。

[索引]
中華元宵歴史朝代歌何日君再來公共食堂前途無量
送別謎語六四民運平安夜搖啊搖、搖到外婆橋
説假話年代太陽城札記 愛情夜來香面朝大海、春暖花開
致橡樹詠秋競雄

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