2003/12/22 投稿者:kotodamakanashi
絹の雨           歌・岩本公水

濡れるじゃないか もっとお寄りよ
   言ってあなたは わたしを抱いた
      絹の雨 絹の雨 いつ降り止むの・・・・・

あの日、久しぶりの再会のふたり。
あなたの運転する車は晩秋の山道を登って行く。
頂上には何もないのに。ましてもうすぐ日が暮れる。
陽が落ちるのは呼吸する間も惜しいくらい早い。
途中の碑の立つ広場に車を停めたあなた。
赤く哀しい夕日が急き立てるかに二人を包む。
少しの沈黙のあと、あなたの唇が私の唇をふさぐ。
懐かしいあなたの匂い。あなたの息づかい。
車のシートに崩折れる私。

絹の雨 絹の雨
   別れたあとも
      胸に切なく濡れかかる

あなたがベッドに入って来る。
待ちかねて首に手を廻す私。
熱いキスの雨。唇が首すじに降りてくる。
吐息がかかる。思わず身を捩る。
キスをしながらあなたは指を這わせる。下半身に。
「こんなに濡れてる。嬉しいよ」

泣くんじゃないよ いつか会えるよ
   そんな言葉に降る雨悲し
      絹の雨 絹の雨 いつ降り止むの

あなたの・・・・
  あなたの・・・・・
     早く欲しい・・・・・
お願いよ早く欲しい
シーツを濡らす絹の雨

絶頂期、いつもあなたは私の名を叫ぶ。
何度も叫ぶ。私は激しくしがみつく。

   絹の雨 絹の雨 いつ降り止むの

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