2004/6/5 投稿者: kotodamakanashi 戻る
  泣かせ雨
 歌・小林幸子 
あなたの心に 誰かいる
気づいた時には 遅すぎて
窓にしとしと そぼ降る雨よ
頬に時計の 跡つけて
酔ってうたた寝 夜の中
 メールの文字が涙でかすむ
 「さよなら」の四文字永遠と見える
 私の前で笑うあなたと
 風が運んできた もう一人のあなたと
  永遠に混ざらぬ感情を
  無理矢理グラスに注ぎ込む
  ガラスのマドラーカチャカチャ鳴らす
  グラスにせめぐ不自然な対流
二ヶ月泣いても まだ泣ける
痩せた心に 酒を注ぐ
薄い灯りの とまり木酒場
どうせ朝には 覚めるのに
恋に未練の ひとり酒
 あの日言ったじゃない
 「定年まで一緒だよ」 「いやよ」
 「何故」 「死ぬまで一緒よ」
  今夜は誰を抱いてるの
  どんな名前を呼んでるの
  その指はどこをまさぐっているの
  そこは私より暖かいの
つかんだつもりの 幸せが
指の空き間に こぼれ散る
にじむ涙よ そぼ降る雨よ
酒でなだめる 胸の傷
揺れて淋しい ほつれ髪
 携帯のバイブがテーブルで踊る
 大切なものを失うよとブルブル踊る
 「公衆電話」と飛び跳ねて告げるディスプレイ
  「こら・・! 馬鹿」
  あなたの笑い声 ブースの向うの都会の雑踏
  朝の喧騒みぞおちを突付く
ゆうべ落とした胸のしずく
朝の空に乾いて旅立つ
違う涙がじんわりと湧く