絶 句 杜 甫
山青花欲燃 山青くして 花燃えんと欲す
今春看又過 今春 看みすみす又過ぐ
何日是帰年 何れの日か 是れ帰年ならん
望 岳 岳を望む
岱宗夫如何 岱宗 夫れ如何
斉魯青未了 斉魯 青未だ了らず
造化鐘神秀 造化は神秀を鐘あつめ
陰陽割昏暁 陰陽は昏暁を割く
盪胸生曾雲 胸を盪うごかして曾雲生じ
決眦入帰鳥 眦を決して帰鳥入る
会当凌絶頂 必ず当に絶頂を凌いで
一覧衆山小 一たび衆山の小なるを覧るべし
旅夜書懐
細草微風岸 細草 微風の岸
危檣独夜舟 危檣 独夜の舟
星垂平野闊 星垂れて平野闊く
月湧大江流 月湧いて大江流る
名豈文章著 名は豈に文章もて著さんや
官応老病休 官は応に老病にて休するなるべし
飄飄何所似 飄飄として何の似る所ぞ
天地一沙鴎 天地 一沙鴎