桂林荘雑詠示諸生 桂林荘雑詠諸生示す 広瀬淡窓江戸
休道他郷多苦辛 いうをやめよ 他郷苦辛多しと
同袍有友自相親 同袍友有り 自ずから相親しむ
柴扉暁出霜如雪 柴扉暁にいづれば 霜 雪の如し
君汲川流我拾薪 君は川流に汲め 我は薪を拾わん
月下獨酌 李白(盛唐)
花間一壷酒 花間 一壷の酒獨酌無相親 独り酌んで 相親しむ無し
擧杯邀名月 杯を挙げて 名月をむかえ
對影成三人 影に対して 三人と成る
月既不解飲 月 既に 飲を解せず
影徒隋我身 影 徒に 我が身に随う
暫伴月將影 暫く 月と影とを伴い
行楽須及春 行楽 須く春に及ぶべし
我歌月徘徊 我 歌えば 月徘徊し
我舞影零乱 我 舞えば 影零乱す
醒時同交歡 醒時は ともに交歡し
醉後各分散 酔後は おのおの分散す
永結無情遊 永く 無情の遊を結び
相期漠雲漢 相期して 雲漢はるかなり
送元二使安西 王 維
渭城朝雨潤軽塵 渭城の朝雨軽塵を潤し客舎青青柳色新
勧君更尽一杯酒 君に勧む更に尽くせ一杯の酒
西出陽関無故人 西のかた陽関を出づれば故人無からん
宿建徳江 建徳江に宿る
移舟泊煙渚 舟を移して 烟渚に泊る
日暮客愁新 日暮 客愁 新たなり
野曠天低樹 野は曠くして 天 樹に低れ
江清月近人 江は清くして 月 人に近し