泊秦淮　　　　　　　　杜 牧

煙篭寒水月篭沙　煙は寒水を篭め 月は沙(すな)を篭む
夜泊秦淮近酒家　夜 秦淮しんわいに泊して酒家に近し
商女不知亡国恨　商女は知らず 亡国の恨み
隔江猶唱後庭花　江を隔てて猶(なお)唱う 後庭花

　静夜思　　　　　　李白（盛唐）

牀前看月光　　牀前 月光を看る
疑是地上霜　　疑ごうらくは 是地上の霜かと
擧頭望山月　　頭を擧げて 山月を望み
低頭思故郷　　頭を低れて 故郷を思う

生年不滿百　　　生年 百に 滿たず

生年不滿百 生年 百に 滿たず
常懷千歳憂 常に 懷おもふ 千歳の憂ひを
晝短苦夜長 晝 短くして 夜の長きを 苦み
何不秉燭遊 何ぞ 燭を 秉とりて 遊ばざる
爲樂當及時 樂を爲すこと 當まさに 時に及ぶべし
何能待來茲 何ぞ能く 來茲を 待たんや
愚者愛惜費 愚者は 費つひえを 愛惜し
但爲後世嗤 但ただ 後世の 嗤わらはるると 爲るのみ
仙人王子喬 仙人 王子喬
難可與等期 期(のぞみ)を等しくするを與(とも)にすること難(かた)かる可(べ)し