長 崎 物 語
詩 梅木 三郎 
曲 佐々木俊一
一 赤い花なら 曼珠沙華
  阿蘭陀屋敷に 雨が降る
  濡れて泣いてる じゃがたらお春
  未練な出船の あゝ鐘が鳴る
  ララ鐘が鳴る

二 うつす月影 彩玻璃(いろガラス)
  父は異国の 人ゆえに
  金の十字架 心に抱けど
  乙女盛りを あゝ曇り勝ち
  ララ曇り勝ち

三 坂の長崎 石畳
  南京煙火(はなび)に 日が暮れて
  そぞろ恋しい 出島の沖に
  母の精霊が あゝ流れ行く
  ララ流れ行く

四 平戸離れて 幾百里
  つづる文さえ つくものを
  なぜに帰らぬ じゃがたらお春
  サンタクルスの あゝ鐘が鳴る
  ララ鐘が鳴る