無 法 松 の 一 生
詩 吉野夫二郎
曲 古賀 政男 
一 小倉生まれで 玄海育ち
  口も荒いが 気も荒い
  無法一代 涙を捨てて
  度胸千両で 生きる身の
  男一代 無法松

  空にひびいた あの音は
  たたく太鼓の 勇み駒
  山車の竹笹 提灯は
  赤い(あかし)に ゆれて行く
  今日は祇園の夏祭り
  揃いの浴衣の 若い衆は
  綱を引き出し 音頭とる
  玄海灘の 風うけて
  ばちがはげしく 右左
  小倉名代は 無法松
  度胸千両の あばれうち

二 泣くな嘆くな 男じゃないか
  どうせ実らぬ 恋じゃもの
  愚痴や未練は 玄海灘に
  捨てて太鼓の 乱れ打ち
  夢も通えよ 女男(みょうと)波