夏はきぬ
詞 佐々木信綱
曲 小山作之助
一 卯の花の におうかきねに
  時鳥(ほととぎす) 早もき鳴きて
  しのび()もらす 夏はきぬ

二 五月雨の そそぐ山田に
  早乙女が 裳裾ぬらして
  玉苗植うる 夏はきぬ

(たちばな)の かおる軒ばの
  窓ちかく ほたるとびかい
  おこたり(いさ)むる 夏はきぬ

(おうち)散る 川辺(かわべ)宿(やど)
  (かど)遠く 水鶏(くいな)声して
  夕日涼しき 夏はきぬ

五月(さつき)やみ ほたるとびかい
  水鶏(くいな)鳴き 卯の花さきて
  早苗植えわたす 夏はきぬ