初晴游滄浪亭 初めて晴れ滄浪亭に游ぶ 蘇舜欽
夜雨連明春水生 夜雨 明に連って春水生じ
嬌雲濃暖弄微晴 嬌雲 濃暖 微晴を弄す
簾虚日薄花竹静 簾虚しく日薄く 花竹静かなり
時有乳鳩相対鳴 時に乳鳩有り 相対して鳴く
雨は朝まで降りつづき 池には水がみなぎった
雲はなまめく暖かさ 晴れ間と遊んでいるようだ
簾の奥に人影はなく 薄日のなか花も竹も静かである
ふと見ると 小鳩が向き合って鳴いている
「
こまやかな自然描写が目をひきますが、転結句に都を離れた身の孤独感がにじみ出ているようです。
夏 意 夏 意 蘇舜欽別院深深夏簟清 別院深深
別院 の奥は静かで 夏茣蓙はすがすがしい
石榴の花は咲きそろい 簾を透かしてはっきり見える
庭一面に拡がる木陰 太陽は真上にある
夢から覚めて耳にしたのは 鳴きわたる鶯の声ひとつ
宋代の安定期に入った蘇舜欽は、晩唐の不安と自己韜晦に満ちた詩風を乗り越えて、官途は不遇であったにもかかわらず、繊細だが清新な詩風を確立しています。「
ここで鳴く鶯は春に鳴く鶯ではなく、別種のものでしょう。
それとも涼しい場所なので、夏でも鶯が鳴くのでしょうか。
別 滁 滁に別る 歐陽脩花光濃爤柳軽明
花の色の鮮やかさ 柳は軽やかに揺れ動き
花の下で 酒酌みかわす別れの宴
いつものように しばしの酔いを楽しもう
管弦の悲しい調べは よそうではないか
しかし、直言が災いして途中二度ほど地方に左遷されています。
一度目は三十一歳のときで、夷陵(湖北省宜昌市)の県令になり、二度目は三十九歳の年から三年間、滁州(安徽省滁州市)の刺史に左遷されました。
左遷時に多くの詩を作っていますが、「