千 曲 川

一 水の流れに 花びらを
  そっと浮かべて 泣いたひと
  忘れな草に かえらぬ恋を
  想い出させる 信濃の旅路(たび)

二 明日はいずこか 浮き雲に
  煙りたなびく 浅間山
  呼べどはるかに 都は遠く
  秋の風立つ すすきの(みち)

三 ひとりたどれば 草笛の
  ()いろ哀しき 千曲川
  寄せるさざ波 くれゆく岸に
  里の灯ともる 信濃の旅路よ