旅 の 夜 風
詩 西条八十
曲 万城目正
一 花も嵐も 踏み越えて
  行くが男の 生きる道
  泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
  月の比叡を 一人行く

二 優しかの君 ただ独り
  ()たせまつりし 旅の空
  可愛い子供は 女の生命
  なぜに淋しい 子守唄

三 加茂の河原に 秋()けて
  肌に夜風が ()みわたる
  おとこ柳が なに泣くものか
  風に揺れるは 影ばかり

四 愛の山河 雲幾重
  心ごころは 隔てても
  待てば来る来る 愛染かつら
  やがて芽をふく 春が来る