か え り 船
詩 清水みのる
曲 倉若 晴生
一 波の背の背に 揺られて揺れて
  月の潮路の かえり船
  霞む故国よ 小島の沖じゃ
  夢もわびしく よみがえる

二 捨てた未練が 未練となって
  今も昔の せつなさよ
  瞼あわせりゃ 瞼ににじむ
  霧の波止場の 鋼羅(ドラ)の音

三 熱いなみだも 故国に着けば
  うれし涙と 変るだろう
  鴎ゆくなら 男のこころ
  せめてあの娘に つたえてよ