初 恋
詞 島崎藤村
曲 若松 甲 
一 まだあげ初めし 前髪の
  林檎のもとに 見えしとき
  前にさしたる 花櫛の
  花ある君と 思ひけり

二 やさしく白き 手をのべて
  林檎をわれに あたえしは
  薄紅の秋の 実に
  人こい初めしはじめなり

三 わがこころなき ためいきの
  その髪の毛に かかるとき
  たのしき恋の 盃を
  君が情けに 酌みしかな