旅の夜風 
霧  島  昇 
ミスコロンビア
花も嵐も 踏み越えて
行くが男の 生きる道
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
月の比叡を 独り行く

加茂の河原に 秋長けて
肌に夜風が 泌みわたる
男柳が なに泣くものか
風に揺れるは 影ばかり

愛の山河 雲幾重
心ごころを 隔てても
待てば来る来る 愛染かつら
やがて芽をふく 春がくる