金色夜叉の歌
宮島郁芳 詞
後藤紫雲 曲
熱海の海岸散歩する
貫一お宮の二人連れ
共に歩むも今日限り
共に語るも今日限り

僕が学校おわるまで
何故に宮さん待たなんだ
夫に不足が出来たのか
さもなきゃお金が欲しいのか

夫に不足はないけれど
あなたを洋行さすが為
父母の教えに従って
富山一家に嫁かん

如何に宮さん貫一は
これでも一個の男子なり
理想の妻を金に替え
洋行するよな僕じゃない

宮さん必ず来年の
今月今夜のこの月は
僕の涙でくもらして
見せるよ男子の意気地から

ダイヤモンドに目がくれて
乗ってはならぬ玉の輿
人は身持ちが第一よ
お金はこの世のまわり物

恋に破れし貫一は
すがるお宮をつきはなし
無念の涙はらはらと
残るなぎさに月さびし