二 わきて凄きは敵味方 帽子とびさり袖ちぎれ 倒れし人の顔色は 野辺の草葉にさもにたり
三 やがて十字の旗を立て テントをさして荷い行く 天幕に待つは日の本の 仁と愛とに富む婦人
四 真白に細き手をのべて 流るる血しお洗い去り 巻くや包帯白妙の 衣の袖は紅に染み
五 味方の兵の上のみか 言も通わぬ敵までも いと懇ろに看護する 心の色は赤十字
六 あないさましや文明の 母という名を負い持ちて いと懇ろに看護する 心の色は赤十字