ダニューブ河の漣

月は霞む春の夜
岸辺の桜風に舞い
散り来る花のちらちらと
流るる河の水の面
さをさすささ舟 砕くる月影
吹く笛さそう花の波

調べゆかしき笛の音に
横雲たれて水ゆるぐ
流れのままにささ舟の
その行く末や春おぼろ
さおさすささ舟 砕くる月影
吹く笛さそう花の波

水は清くドナウ川
流れ遠く果てしなく

夕べとなれば美し
ドナウの水の薄明り

ララララララ
山は空に薄れて
里に煙たなびき

細き月は今しも 輝き出ず

わが乗る船は静かに
ドナウの水を分け行く