第三高等学校逍遙の歌
沢村胡夷 詞 曲
紅萌ゆる丘の花
早緑匂う岸の色
都の花に嘯けば
月こそかかれ吉田山

緑の夏の芝露の
残れる星を仰ぐ時
希望は高く溢れつつ
我等が胸に湧き返る

千載秋の水清く
銀漢空にさゆる時
通える夢は崑崙の
高嶺の此方ゴビの原

ラインの城やアルペンの
谷間の氷雨なだれ雪
夕は辿る北溟の
日の影暗き冬の波

嗚呼故里よ野よ花よ
ここにも萌ゆる六百の
光も胸も春の戸に
嘯き見ずや古都の月

それ京洛の岸に散る
三年の秋の初紅葉