二 味方は少なく敵多く 日は暮れ果てて雨暗し はやる勇気はたわまねど 疲れし身をばいかにせん 倒るる屍流るる血 頼む矢玉も尽きはてぬ
三 残るは僅かに十六士 「一度後に立ちかえり 主君の最後に会わばや」と 飯盛山によじ登り 見れば早くも城落ちて 焔は天を焦がしたり
四「臣子の務はこれまでぞ いで潔よく死すべし」と 刃に伏しし物語り 伝えて今に美談とす 散りたる花の芳しさ