直実節

  秩父の嶺の雪白く
  名も荒川の風邪寒し
  ここ武蔵野の大里は
  関東一の旗頭
  直実公の故郷ぞ

  源平須磨の戦いに
  花も恥じらう薄化粧
  知勇兼備の將なれば
  敦盛の首討ちかねて
  無情の嵐胸をかむ

   青葉の笛
詞 大和田建樹
曲 田村 虎蔵 
一 一の谷のいくさ破れ
  討たれし平家の公達あわれ
  あかつき寒き須磨の嵐に
  聞こえしはこれか青葉の笛

二 更くる夜半に門を敲き
  わが師に託せし言の葉哀れ
  今わの際まで持ちし箙に
  残れるは「花や今宵」の歌

  行き暮れて
   木下蔭を宿とせば
    花や今宵の主ならまし

      故郷の花
  さざなみや
   志賀の都は荒れにしを
     昔ながらの山桜かな