2004/2/29 2/29 2/29 投稿者・ritonjp

 第二「初寝の巻」 (源氏物語二十三帖「初音」の語呂合わせ)

 朝香は音勢を言い諭し、何でも左様せにゃならぬと言うから、音勢もさのみ否もせず、其夜になれば道足は、先ず酒肴など斎らして、母子に振舞、時分はよしと、予ねて設けの閨へ入る。朝香は音勢が手を執って
浅「サァ往きな。そして叔父さんが何様しょうと、逆らわずに居るのだョ。是々此の紙を持っていきナ」
おとせ「なんだか私は怖い様だねへ」
浅「ナニサ怖い事も何もないはナ。道足さんが悪い様にはしまいから。サァ往きなョ」ト云はれておぼこの恥しく、顔赤らめるを屏風を引き開け
浅「夫ならお恃み申しますョ」
道「委細承知ス。コゥ音勢ぼう、マァ帯を解きな左様して此処へ這入って寝るのだ」
おとせ「ホヽヽヽ可笑しいねへ」
道「何もをかしい事はねへ。サァ今夜はお前と自己のとの御婚礼だ。然し薬缶と土器の婚礼は、神武以来あるめへハヽヽ」
おとせ「何だとへ」
道「ナニ此方の事ョサァサァ早くは這入な」ト云へど流石に入り兼ねるを、道足手を執って無理に引き込み
道「是サ、左様堅まって居ちゃァいけねへ。すっと此方へこう寄って、そして足をあげて自己が足の上へ上げるのだ。
 ムヽ左様左様、其処で此の枕の下へ手をずいと入れナ。
 夫からこうし様と云うのだ」ト道足左の手を伸ばし、
音勢が内股へずっと入れると、
おとせ「アレ叔父さん」ト云い乍ら股を窄める、
道「是サせれじゃァ往けねへ」
おとせ「夫れでもくすぐったいものヲ」
道「マァ其処を少し我慢しなくっちゃァ、殿様のお気にゃァいらねへ。サァ此処を広げなョ」
おとせ「こうかへ」
道「ムヽ左様左様だ」ト手を遣って、むっくりとしたる額際。
 撫でて看れば二三分許りもやもやとして指に触れど摘む程には未だならぬ、薄毛の容子が愛らしく、夫れより段々手を遣れば両淵高くふっくりとしたる、中にちょんぼり埋み紅舌。
 其の廻りに長き毛の、四五本生えて手に障る。
 其の心地よさ道足が、一物亀頭を持ち上げて、ぴんぴんと勃起たてば、音勢が手を持ち添えて
道「サァ是を握ってみな」
おとせ「ヲヤ」と云った許り直ぐ放す其れを押さへ
道「確り握って、上へ遣ったり下へ遣ったりしてみなョ」
おとせ「をかしなもんだねへ」
道「ナニ可笑しいものか」ト此処に暫く気を移させ、そろそろ撫でて玉門へ中指一本嵌めて見るに、吐淫ち云うは更になけれど、ずるずる這入れば先ず〆たりと、予ねて準備の通和散、唾に解きこてこてと陰茎の亀頭より雁首の下の方迄よく塗つけ、さてまた音勢が玉門の周りへべたべた塗廻せば
おとせ「何だヱ、誠に気味が悪いねへ。私は手水に往って参ろう」
道「ナニ気味の悪い事はねへ。マァ手水は後にしねへ。サァ是からこうするのだ」ト、ぐっと割込み一物を、押し宛がうに道足は其の大昔名に高き、弓削の道鏡が子孫にて、道足迄三十八代、遥の裔でも否といわれぬ血脈のしるしか一物は、並に超たる大業物。
 年は取ってもしゃんとこい。
 いきり切っては鉄火如く、血気壮んの若者にも中々劣らぬ威勢なれば、釜の蓋をしたる如く入れ物よりも入れる物が、四方に余って這入るべき気色も無ければ、道足も少し困った心持。
 されど宝の山にいり、手を空しくハと通和散を又こてこて塗り回し、脇の下から手を差し込み、両方の肩を確り抑え、乗り掛かってちょこちょこちょこと小刻みに腰を遣へば、薬の奇特にずるずると亀頭許り這入った容子。
 音勢は此の時上気して、耳と頬真赤になし顔を顰めて
おとせ「アヽレ何だかはばったい様で、アヽせつない」ト頻りに上へ乗り出すを、道足肩を締め付け締め付け、
道「今によくなるから、ちっと堪えナ。そんなに痛くはあるめへ」
おとせ「アヽ痛くは無いけれど、をかァしいは」
道「今に段々よくなるから、腰をちっと動かしてみな」ト又ちょこちょこと早腰に遣いければ程もなく、かの大物は毛際までぬらぬらと這入りしが、元来新開の締りよく、まらの頭を赤子の口で咥へて引張る様なれば、道足は現を抜かし、音勢が頬や口の端をべちゃべちゃと嘗め廻し、其の可愛き事喩へかたなく一生懸命に抱締めれば、音勢も此の時開中がむず痒き様に覚え、何処となく気持ちよければ、思わず道足が首筋を両の手で締め付け締め付け
おとせ「フゥフゥハァハァ」
 息遣い、忙しなくなれば、道足ははや少しも堪えられず、やがてドキンドキンドクドクドクと樽の呑口抜いたる如く腎水こつぼへ弾きかけ、
「アヽムヽヽヽ」と夢中のよがり。
 其の時朝香は兎やあらんと抜足をして唐紙の外へ来たりつ身を寄せ掛け、耳を澄まして様子を聞くに、思いの他に出来た容子。
 道足が「グゥグゥスゥスゥ」嬌がるを聞いて味な気になり、年は取っても永き年月、一義絶えたる陰門へ、忽ちびしょびしょ湿り気出で、湯具さへ濡るるばかりなれば、何と無く上気して、耳も真赤になる許り。
 はや其の道足は、紙を取って拭き方を、教え等する容子に、はや是迄とそろそろ己が部屋へ帰り往く。

 音勢は予ねて噺にも聞き、其の身も何時ぞ交合てみたいと思う心有り乍ら唯枕絵で見た許り。
 どう云うものかと思ったに、今宵始めて味を知り、成る程悪くもない様だが、何だかはばったっくて、抜いた跡まで何時もとは、何処やら違った心持。
 其れにぬるぬる拭いても拭いても跡から流れる気味悪さ、本や何かに書いてある、苦労したり気を揉んで、する程のものでもないと、真の甘美を未だ知らぬ、おぼこ心の道理なる。

第二 終 北嵯峨の巻 初寝の巻 室町の巻

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