2004/2/13 2/13 2/13 2/14 投稿者・ritonjp

      『華古与見』 人之巻

寄席の木戸「サァいらっしゃいいらっしゃい此次は馬生が道化の忠臣蔵で御座い」
ききて二三人「モシ南馬は出ませんかへ」
木戸「ハィ南馬は夜席で御座います、しかも今晩は新物を噺します」
ききて「マァ晩は兎も角も馬生を聴こうじゃァあるまいか」
「アァそうしようかねへ」
「お前がお聴きならわちきも聴くョ」
連れの男「ヘン南馬に限って聴きたがる事もねへ」
「お夏さんは、噺しを聴くのではない、南馬の顔を見れば気が済むのだぁ」
「アレ嘘をお付なねへ。只南馬はぎすぎすしないから、可愛らしいと云ったのだョ」
「それ御覧な、可愛いらしいと云うのは、やっぱり惚れたのだョ」と小声にて争う中、連れの男は三人前座料を払い、下足札を受取り二階へ上がる。
 折しも床は中入り後にて、例の馬生が声色噺
馬「三津五郎 仇も恨みもなき与兵衛を我が手にかけて殺すとは、因果同士か、敵同士、未来は恨みをきく程に、許して下され与兵衛殿」
 楽屋にて鳴り物宜しく
「人殺し・ひとごろし」
馬「三津五郎 人目に付けば一大事、ちっとも早くヲヽそうじゃ」
馬「是より山崎屋の段は明日まず今日は是ぎり」思い思いにに立ち帰る。
 中に以前の三人連れ、如何なる物か知らねども、宅え急がぬ其の風情。
 池の葉多(上野池の端)をうろつけば、向うの方より年の頃、五十五六才と見へたる老女、二人の娘を見て
ばば「ヲヤヲヤ御揃いだね」
娘「ヲヤおばさん、何処へ御出だ、夕べは有難う」
 禮を云う娘に何か言う。
娘「そうかへ、それじゃァ直ぐに参ろう」と云うは即ちお春と云う、十九才許りの怪しき娘
「お夏さん、彼の一件だから堪忍しておくれ」
「ヲヤそうかへ、それじゃァ早く御出でな本町のかへ」
「アァ」
「フゥム嬉しそうに、四ッ時分、わちきが行くから美味残して置いておくれョ、しかし、其の時分には疲れは云はなかろう」
「可愛想な事をお言いな、お前と清さんでは有るまいし」
男「ヲヤヲヤお春さん、おいらがお夏ッあんと何かしていると云うのか。人聞きは良いが、ついぞ差向いじゃァ、笑い顔も見せはしないぜ」ト云うをお春は聞き乍ら、老女と共に急ぎ行く。
 後に二人は是幸いと言わぬ許りの笑顔
「ヲヤ何をお笑いだ」
男清「おめへも笑ったじゃぁねへか」
夏「おめえが笑ったからさ、それはいいがどうしょうねへ」
清「何にを」
夏「今からどうしょうと云う事さ」
清「此間の宅は否か」
夏「否でも無いが表ががヽんとしているから出るのに間がわりいねへ」
清「そんならば、アノそれ裏の宅へ行こう」
夏「ナニどうでもよいョ」ト言ながら、黄昏時をぶらぶらと、打ち連れだって、広小路の方差してぞ歩みつつ、何処へ行きしか暗がりを影もとどめず失せたりける。
 此処に静けき裏長屋、雨戸の方は水の音、流れにそうる雨の足、屏風を少し開けて
お夏「ヲヤ雨戸へばらばらかヽるのは雨かへ」
清「ナニ雨じゃァあるめへ、ドレ」と言い乍ら起き上がり、お夏を膝へ抱上げれば
夏「何をおしだ」
清「何もしはしねへ斯するのだ」ト言い乍ら、捲れかヽりし緋縮緬の湯文字を掻きのくれば、白く柔らかき股顕し
夏「ヲヤ最出来るのかへ」
清「知れた事ョ、百なり爺じゃァあるまいし否がると猶意地になってする気なる」ト云うより早く仁王の腕の要なる、さも恐ろしき大物をさねがしらの所へ押しける。
夏「アァびっくりした、大層熱くおなりだねへ、火傷するかと思った」
清「仰山な事言うぜ、何、そんなに熱くなる物か」ト云う中、お夏はしがみ付いて口を吸う。
清「コレサコレサ」
夏「ヱ、なんだへ」
清「あんまりひどく吸うから舌が痛いはな」
夏「ヲヤヲヤ堪忍しておくれ」ト云いつつマラを握り
「先より大きくなったョ」
清「サァ少し足を脇へ開きねへ、エェいまいましく可愛らしいなァ、真白な所を見たばかりでも気が往きそうだァ」ト少し抱上げ首を入れ土手を両の手で広げ、隠穴からさねがしらへ、ぺろぺろ舐め上げ、舐め廻すに、お夏はぶるぶるとして、もっと舐めさせんと、腰を持ち上げ、
夏「アレアレ往く往く」ト遣りじまい、
夏「清ッァん、早く、根迄入れて、今一度気を遣らしておくれな」ト、根迄入れさせんとするを、清十郎はわざと入れず、今度は其れ為ればとて、口元斗をちょこちょこ突て突き外し、吐淫のぬめりでさねの脇をこすりあげこすりあげ、右の手にて玉門の口元をくじり右の乳を舐め廻し、千変万化の秘術をつくし、すかりすかりと奥深く、二三度押込み又浅く、突き外す様に抜き上げて、突き外すかと見ればこつぼ迄、づぶづぶと一目散に押し入れて、確りといだきしめ、びくりびくりとこつぼの口で、脈を打たれる心地よさ。
 お夏は思わず泣き声になり
夏「アレアレモゥモゥ死ぬよ死ぬよ死ぬ死ぬヲヽいヽョ、アレ清さん、一緒にお遣りョサァサァ」ト前後を乱す女のよがり。
 清十郎も歯を食い縛り、こらへて見ても美しきお夏のよがり顔に見蕩れては、中々辛抱する事ならず、殊にお夏も惚れた仲、満更素人ならざれば娘に似合わぬさせ上手、男殺しの手取り者
夏「ヱヽモゥモゥ、意地の悪い程気を遣らせる事が名人だのう。
 モゥモゥ腰が抜け、体中が溶ける様だ。アレアレまたいくョいくョ、サァョお前もお遣りといへば」ト云い乍ら、口を吸いにかかれば、清十郎も心得て、口を吸わせすっぱすっぱ、チュウチュウハァハァハァドクドクドクと惚れた同士の大よがり、隣に聞こゆる許り為り。
 折から表の戸をがらりと押し開け
春「おばさんおばさん」
清「アィ今此処の宅では留守で御座います」
春「ヲヤそうで御座いますか、それじゃァ少し待って居りましょう」と云いつつ後を振向き、
春「モシお前さん少しの中、マァ此処へお上んなさいましな」と云う声聞いて屏風の中、
夏「確かお春さんの声だョ」
清「ヱッそうか、どうしよう」
夏「ナニよいわね此方はお前さんの外に、いやらしい事でもしはしまいし、構やァしないョ。あの子こそ少し気の毒だろうよ」と云い乍ら、又、確りといだきつき、男の顔に顔こすり付け、溜息を吐いて
夏「あさっての晩おっかァが田舎に往って泊るから」
清「そうか、そいつはありがてへ」
夏「きっとお出ョ、だまかすときかないョ」と言いつつ帯を二人共〆直して、屏風を明け、
夏「ヲヤお春さん」
春「ヲヤ清さんかへ」とにっこり、ナゼ恥しがらぬやら。

 そもそも是はいかなる宅ぞ。
 只今来りし彼のお春に、挨拶をして清十郎とお夏、そこそこにしてい出行けど、此の家の主は影も無く、入れ替わりたるお春は、連れ来りし男に向かい
春「モシお前さん此方へお出で為さいョ何もお心遣いは御座いませんョ」ト我が家の如く勝手を知って火鉢の引出しより、茶碗を出だし、茶をついで男にやり
春「ぬるいかも知れませんョ」
男「ハィ有難う御座いやす。時に此処の家は何だかいヽかね」
春「本当に気遣いは有りませんョ。しかしお前さんの様な可愛らしいお方は、こんな所へお出で為さると云うは如何した事だか。寔に如何も珍しい事で御座いましょうねへ。さぞ否だろうけれども堪忍為さいましョ」トさも嬉しそうなる顔にて、お夏清十郎が寝床の跡を掃き出して、薄き蒲団を敷き、小夜着を振いて
春「サァマァチット御休み為さいまし」ト多葉粉を吸付けて男にのませ、簪で首髪を掻いて居る姿、中々此の様なる業をする娘とは見えず。
 考えるに夕方お夏に別れて、怪しき老女と伴いしは、此の人には非ずして、他の客の所為なるべし。
 其れより二刻の余過ぎて、此の所み至りしは、定めて以前の男に二交もとぼされし為らんか。
 されども今此処へ伴いし男は、年齢十六七の色若衆。
 色白く眼すずやかにして、紅の様なる口元、故人路考が若衆役にて、それより形が華奢なれば、男女共に惚れ惚れとする風なり。
 況や此娘は両親の欲心深く、兄弟迄も是が汁吸い、何れ汁気の在るうちは、色々にして己等が手助けなさんと勧めて、三十日嫁にやり、二十日旦那を執らせ、酒の相手に船へ誘われ、切売りに飽き足らず、色の躰にて金を取り、端にて手段を為して男を突出し、新規の男を迎える事、白湯を飲むより手軽し。
 されば親身の如くなれ睦まじく為るかと思えばふた月か三月に愛想尽かしを遣わす者多いけれど、更に気の就かぬ不実の親達に少し不味く想い、どうぞ心頼りに為る人もあらばと思う矢先へ、今此処に初めて逢いし色男。
 こんな男に寔があらば命も更々惜からずと、しみじみ惚れては我が身の上、賎しき事をする者と男の心に蔑みあらば、どうも力に為る様には、為られまいかと胸の中、くよくよ思うぞ道理なれ。
 男は例の好色の、彼の六三郎にてあれば、女殺しの上手にて、屏風の外から見えぬ様に引廻し、明かりを屏風のうちへ入れて、先ずいきなりお春にしがみ付き、
六「此の美しい可愛いらしい顔を見ては、どうも遠慮してはいられねへ」と云い乍ら、口を吸い、直ぐに割込むかと思う風情を見せて割込まず、横抱きに寝して、右の手をまたぐらへさしこみ看れば、毛は薄々と生えて、羽二重の様為る手触り。
 その心地快さいわんかたなく、娘の顔を見れば、顔てらてらして、早くして貰いたい様子にてもがけども、六三郎は一向にせかず。
 二本の指へ唾をたっぷりと付けて、さねがしらの左右の脇を上へ上へと撫で上げ撫で上げ、乳を舐めたり口を吸ったり、さも静やかにあしらはれ、心の中につくづくと、思えばいとど此の若衆が、命に掛けて可愛ゆくなり、そもや男と云う者は、万事に好いと云う事は、あらぬは世間の常なるに、男がよく気が利いて、又、此の事が上手とは、世に珍しき人なるべし。
 とは云うものの此の様な、可愛ゆき人は一物ちいさく、弱はき者と聞く。
 咳き込む様に見え乍ら、直ぐに本手にしないのは、生まれて弱いか形の如く、一物もちいさいのかと、取り越し苦労も充分に、我が物とする女の欲心。
 彼是思うその中に、潤い頻りに快く為るを知りてや指先を、深く差し込みこつぼを撫で、又、さねがしらを軽く舐め上げ舐め上げ、秘術を尽くしてあしらえば、今は堪らず声を挙げ
春「アレモゥ意地の悪い、どうぞ本手にして、ヲヽいくいくどうぞ後生だから」ト、云う合図に本手に割込み、雪の肌を灯火でじろじろ看ながら、ぶるぶると身を震はし、真実ほれ込んだる様にしがみ付き、湯気の立つ如く生へたるへのこを突出せば、こはそも如何に。
 お春が案じたるとは大違い、膝頭かと思うばかりの大へのこ、是や八寸胴握子と云い伝へたる業物なるべし。
 多くの人にされたれど、未だ十七八の、お春なれば、中々是は受けられまじと、驚く程の、気味よき一物、始めからして足掻きたる。
 時を図りし六三郎、此処ぞと思い定めけん。
 さも可愛ゆらしきおまんこにへ、ずぶずぶずぶと押入れば、お春はハァット反り返り、新玉門此の方覚えぬ業物、されど惚れたる男と云い、先刻よりしてもがきし事、すかりすかりとおこなはれて、次第に心良くなれば、はしたなくは取り乱さじと、堪える所を六三郎九浅三深の法を行い、其身は今にも気の往く如く、美しき顔に皺を寄せ、鼻息荒く、ハァハァハァト女の心を蕩かす妙手。
 お春は生半堪えたる、その気味のよさが裏に落ちて、五臓六腑に沁み渡り、戦慄身中が痺れる程。
 気が往き出して止め処なく
春「アレモゥ死ぬよ死ぬョ。アレまた往く往く往くヲヽどうしょう息が切れるから切れるから、どうぞ口を吸はせて。ハァハヽヽハァアレサもっと奥をァソレまた往く」
 ドクドクドクト煮え湯の様為る淫水を、湧き上がるばかりに出しかけて、夢中になれば六三郎は、忽ちへのこを抜き出し、柔らかな紙にてすっかりと拭いつつ、兼ねて用意の女悦丸を、まらの根元より雁首迄塗り付けて、又お春の空割れをよく拭いてやり、薬を付けたる十倍の、へのこを再び一目散に、根迄押込み子宮の際で、ピクリピクリと脈を打たせ、薬の沁みる待ちておる。
 お春は未だ気の行く最中、抜かれてハット驚きしが、いよいよ大きく勢い立ちし、彼の大物を薬を付けられ、またまたぐいぐい突き立てられて、今度は実のよがり啼き、声を震るはし
春「アレ又よがり水が大層に出るョ出るョ何故こんなに好いだろうねへ。アレ又続いて出るョ」

 此本の部数もこんなに出る。
 本文は此処で唐突に終わっている。

「マァ待ちねへ。見たっても変哲もねへ。とぼさなくっちゃァ功能はわからねへサァ裸にならっし。ソレ此の薬をこうして唾で溶いて、ぼぼの縁へなするのだ」
「アレくすぐってへョ。おめへのへもつけるのか」
「ナニ長命丸じゃァあるめへし、へのこには付けずと好い」
「そうか何を練った物だのう。ヲヤおつだョ。痒い様でアノゥ、モゥアレモゥ、いじらねへで、早く入れてくんな。なんだかモゥモゥおかしいョ」
「その筈よ。薬が沁みるからだ。コゥ妙だぜ。膨れてきた事をみな。ぼぼの中が火の様で、びくびく動く事。ソレ流れるぜ」
「モゥモゥどうもならなへョ。何故こんなだろう。あぁ〜モゥ後生だからョゥ。してくんなフゥフゥしておくれョ〜」
「よしよしソレ入れるぜ。ソレソレどうだどうだ。ちっとは違うか違うか」
「フゥフゥあぁ〜いヽすぅすぅすぅ」
「好いか悪いかどうだどうだ」
「フゥョフウヨもうもうもう口がけねへ。いくいくいくアァ〜いくいくいく」

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