哀しみよ隣りで眠れ 唄:八代亜紀誰もいないこの部屋に 忍びこんだ悲しみが 声をひそめ うずくまり わたしを見ている・・・ 憐れむ顔はしないで 同情なんて まっぴらよ・・・ ひとりぼっちが ひとりぼっちが 好きなのよ 夜中に切る爪 訣別の響き 闇の向うにはじけて飛んで あなたの心に突き刺され 小さくとがった恨みのかけら 思い出全部を閉じ込めて あなたに返す 心ごと あなたの 涙が涸れても あなたを恨む 傷の深さ 一途な 哀しみよ隣りで眠れ あなたが 不幸になる日まで 哀しみよ 隣りで眠れ 誰かにこの身を 許すまで あの夜 わたしだけを見ていた夜 向かい合って座っていても 心は互いを抱きしめあっていた 話す言葉なんて聞こえていなかった その唇にふさがれるのね その指がボタンをはずすのね その目は今夜の私を記憶するためね 私の足りないそこは あなたの多すぎるそこを受け入れる したたる汗と 歓喜の涙が交じり合う あなたにすがって 連れもどせたら 薔薇の花瓶 白いソファー すべて息づく 今では心も 砂漠のように 胸の渇き 虚ろな暮らし 愛の爪あとだけが 追憶よ 隣りで眠れ 私が 自由に なれるまで 夜中に聴く歌 涙の輪舞 まだ癒えきらぬ 傷口を責める いっそ も一度 無理やり開き ポタポタ落ちる血を集め 出せない手紙を書いてみる 哀しみよ 隣りで眠れ あなたが 不幸になる日まで 哀しみよ 隣りで眠れ だれかに この身を 許すまで |