2004/2/16 3/18 投稿者・aosagi123

   麦 秋
小降りして山風の立つ麦の秋 飯田蛇忽

麦秋の子がちんぽこを可愛がる 森澄雄

麦畑ざわざわざわと二人逃げ

囲炉裏にて口説きおとして麦の中

麦畑かかしの前もはばからず

麦畑小一畳ほど押ったおし

幸いじゃ屏風のような麦畑

もう一人出るを見ている畑番

山犬に麦の中から二人逃げ

あかるむと出会いの屏風かりとられ

これからはどこでしべえと麦を刈り

麦ののちずいきの中でまた始め

竿入れた奴が釣られる薬研堀

()えたのを帯に挟んで〆殺し

本殿は濡れ仏なり奥の院

死にますと抜き身ぐっと突き

抜く気色つかに手をかけ待ちなんし

仕止めたと見えて抜き身の拭う音

仲人は母の寝所のさしずもし

蛤は初手赤貝は夜中なり

蛤は吸うばかりだと母教え

花嫁のよがるはできたことでなし

2004/3/25

かよう遊ばせとセキレイぴくつかせ

セキレイは一度教えてあきれはて

あまったを不足へたして人はでき

神代にもだますは酒と女なり

2004/6/15

手を切ると指を切るでは大違い

指二本いくのの路の案内人

指二本姫が岩戸の手力雄

据え風呂の加減に二本指が濡れ

めめつちょ舟を折る時も指の先

食い飽きた饅頭指で抉ってる

饅頭に小僧だまって指を差し

にぎにぎに親指が出て大笑い

人形は足の指まで曲げられず

門口に医者と親子が待っている

娘の香箱人形も入りかね

医者親子ともに女帝は御寵愛

賞罰は指と髪とでわかるなり

2004/7/26

連句・バレ句
アアいっそ牛の角文字ゆがみ文字

相合い傘の道連れは濡れた同士

あいそうに上開という女医者

7/28

 前句  臆病なこと臆病なこと
 付け句    相模下女しゃぶれと言えばしゃぶるなり

 前句   わがままなこと
 付け句    月の内たった七日をぶっつくさ

 冠付け おちにけり
 付け句    おちにけり踵に馬を長局

 前句   すすめこそすれ
 付け句    尼寺へ来ては鶺鴒尾を振って

 前句   われもわれもと
 付け句    穴を出で穴に入る迄穴の世話

 前句   かくしこそすれ
 付け句    早乙女も水が濁らざおかしかろ

7/28

江戸宝暦期(九代家重・十代家治)の秀吟
 前句   おしいことかなおしいことかな
 付け句    提灯を下げて宝の山を下り

 冠付け つよいこと
 付け句    つよいこと障子に向かふ大笑い

 冠付け うれしがる
 付け句    うれしがる此は九州肥後の国

 前句   おかしかりけり
 付け句    剃りにくい所を鳶は出家させ 鳶虱は毛虱

 前句  のぞきみこそすれ
 付け句    よい女みたい所が一つあり

 前句   長いことかな
 付け句    蜆から蛤までの仕儀になり
  幼なじみ同士の結婚

 前句   まれなことかな
 付け句    同じ二朱出して天蓋買い当たり
  安女郎を買ったが意外や名器。天蓋は蛸の隠語。

 前句   おしわけにけり
 付け句    淋病に馬上ながらも無手(むず)と組み
  馬は月経、月水の女とのまぐわいは治るという。

 前句   自由なりけり
 付け句    煩悩を起こす清少納言有り
  清少納言が煩悩は?草紙

 前句   かのふたりけり
 付け句    宝船櫓を押すような音をさせ
  姫始め箱枕の下に宝船の絵、夫婦の取り組み、
  箱枕の軋み?


 前句   いやしかりけり
 付け句    故郷を弘法大師けちをつけ
  女色厳禁、男色許容。

 前句   ぐちなことかな
 付け句    きんかくし女中は何を隠すやら

 前句   ひらきこそすれ
 付け句    湯が沁みて苦い顔する里帰り
  初夜から三日目に里帰りした嫁。

 前句   次第次第に
 付け句    相応に頬のふくれる小山伏
  山伏は玉開、空割れの両側の土手が豊満。

 前句   横着なこと
 付け句    女房を湯にやり亭主酒を飲み
  湯ボボ、酒マラを実践

 前句   なびきこそすれ
 付け句    芝居から帰ると撮み洗いをし
  舞台での濡れ事を見て催情した女。腰巻きのしみを落とす。

 前句   じゃまなことかな
 付け句    嫁が来て息子の頷を団扇にし
  腎虚したことを「頷で蠅を追う」と言う。

 前句   よいかげんなり
 付け句    女同士お客と言えば通用し

 前句  命なりけり
 付け句    乳の下で屁の音のするおもしろさ
  汗を掻いて素裸で密着して抱き合っていると、
  時たま空気が漏れる。

2004/7/29

 前句  おし付けにけり
 付け句    てて親に似ぬを知ったは母ばかり

 前句   ひびきこそすれ
 付け句    船饅頭ちょっちょっと細かい浪が打ち
  船饅頭は、三十二文(八百円)の小舟で営業する娼
   律動が小波を起こさせる。


 前句  いろいろがある
 付け句    ご亭主は六日のあたり願って見
  月経終末頃に「そろそろどうだ」と女房に

 前句  めいわくなこと
 付け句    木娘はぜひ無い肩へ食らいつき
  木娘は生娘。初体験で仕方なく男の肩へしがみ付く

 前句   なかのよいこと
 付け句    立っていてちぎりを込める下女が恋
  寸暇を惜しんでの出会いで、立ち位のまま。

 前句   ふくれこそすれ
 付け句    地女は龍の髭ほど生やして居
  地女は遊女に対する素人女。地女は生えっぱなし。

 前句   すきなことかな
 付け句    根津の客四つたたいたなどという
  根津の岡場所は大工客多し。
   「四つたたく」は四交したと他言する。


 前句   もらいこそすれ
 付け句    大三十日達者な夜鷹四貫取り
  夜鷹は二十四文(六百円)の街娼。大晦日に四千文も稼いだ。
   単純計算だと百六十六人の男と接したことになる


 前句   すきなことかな
 付け句    逆さまな薬研で杭の打ちにくさ
  薬研は漢方の薬草を細粉する道具。形から女性器に譬える。
   女が慣れていないので、順調にいかないことを言う。


 前句   よろこびにけり
 付け句    もふ水を飲みなと女房堪能し
  閨房薬の長命丸を塗って実践。
  男は水を飲むまで、持続力無限であると言われる。
   女房が堪能して「もう水を飲みなよ」と。

2004/7/29

 前句   たしなめにけり
 付け句    出会茶屋お宿下がりかと星をさし
  あのお客は御殿女中の宿下がりで、男との密会だなと、図星

 前句   おちつきにけり
 付け句    つんとした風でしつこい御殿者
  つんとした風情ながら、いざ男との逢瀬となるとしつこいのが御殿女中の特徴

 前句   だてなことかな
 付け句    御出立奧の名残に人払い
  参勤交代で国元へご帰還の殿様。
  奥方との永の別れのため、直前にまた床入り

 前句   このみこそすれ
 付け句    延紙を四五枚持ってたれに行き
  遊女。事前の準備に延紙を携えて雪隠へ。
  たれるは小便放出。


 前句  是は是はと
 付け句    御気の毒今朝からといふ出会茶屋
  待ちに待った出会いなのに、女が今朝から來潮と男に告げる。

 前句   くらひことかな
 付け句    さかに毛を撫でて地女さあと言ふ
  遊女と違って、素人女は繁茂しているので逆撫でをしてから。

 前句   ゆふなことかな
 付け句    元日にするやよくよく好きな奴

 前句   めっそうなこと
 付け句    薪部屋で夕べの残を下女ちぎり

 前句   きついことかな
 付け句    尻で書くのの字は筆の遣いやう
  女が布団上で描く尻の「の」の字は「筆」即ち男の動きによる。

 前句   急ぎこそすれ
 付け句    持ち上げるところを亭主重ね切り
  姦通は大罪、間男と共に二人重ねて四つに切るという。

 前句   しっくりとする
 付け句    尻からがきついことさと囲い言い
  坊主の囲い女。アナル合体が好きで困ると。

 前句   さばけこそすれ
 付け句    日の本がとは大それたよがりよふ
  日の本が一所へ寄るようだとは、絶頂時の女の嬌声の最たるもの。

 前句  ほどけこそすれ
 付け句    お妾は足の八本ないばかり
  殿様が熱中するのも蛸開のせい

 前句  ぞんぶんなこと
 付け句    気を遣った跡で未来の恐ろしさ
  無我夢中で逐情した後、こんな仕儀になって今後どうなることかと恐ろしくなる。見分不相応な恋の結末はいかに。

 前句  うわきなりけり
 付け句    手繰り出す抜けたずいきの馬鹿らしさ

 前句   ねんごろなこと
 付け句    外聞が悪いと拭いて泣きやませ
  女房の絶頂時の嬌声が大きすぎると。

 前句  はれなことかな
 付け句    下女が蛸誰がはなしたか殿に知れ
  下男などの実践談が殿の耳に。何れはお召しがある。

 前句  おもひこそすれ
 付け句    おやかして見せると相模目を廻し
  好色な相模下女。
   硬直したものを見て欲求のあまり気も転倒。


 前句   いやらしいこと
 付け句    気が悪くなっても女かさばらず
  「気が悪い」は性的興奮をすること。男は体積が膨張するが。

 前句   おしあいにけり
 付け句    のし餅のように夜鷹はぶっかへり
  三十四文の街娼。筵の上にすぐに寝て大股開き。

2004/7/30

 前句  気を付けにけり
 付け句    先んずるときは女房不足顔

 前句   似合いこそすれ
 付け句    五十銅火蓋を切りに行く
  代五十文の鉄砲見世。一発放ちに行く。

 前句  おくびょうなこと
 付け句    芳町の客こつがらの良い女
  陰間茶屋で著名な芳町。
   骨柄は人相、御殿女中の陰間買い。


 前句  もちいこそすれ
 付け句    なまくらに成ると地黄で先をかけ
  地黄丸は強精剤。刀の研ぎにかける。軟弱を防ぐために予防する。

 前句   でかしたりけり
 付け句    踊り子は山吹色に蹴っまずき
  山吹色は金貨。二分遣れば容易に転ぶ芸者。

 前句   なぶりこそすれ
 付け句    有り余る手代差し置き後家通ひ
  商家の後家。若い手代が沢山居るのに、専ら陰間通い

 前句   もちあげにけり
 付け句    蛤に婿殿ばかり二度すわり
  一度目は蛤汁。二度目が床入りで。

 前句   こしらへにけり
 付け句    一盛り毎夜春三夏六なり
  養生訓に「春三夏六秋一冬無し」とあるが、新婚当時は、
   毎晩数交。


 前句   におひこそすれ
 付け句    気が悪くなると女は冷たがり
  女がほしがる時には、亭主に寒いから暖めてくれろと言う。

 前句   わがままなこと
 付け句    したかろうなと思ってるいい女
  美女の心中を穿った見方で捉えた男の好色さ。
  同類句「おれをしたかろうと思ういい女」

2004/7/30

 前句  のこりこそすれ
 付け句    茶臼の夜おふくろ五人扶持になり
  殿に未経験の快楽を堪能させた妾

 前句   うらみこそすれ
 付け句    ちんちょうでちもだと新造抜かしたり
  チンチョウは提灯。チモは餅。俚諺「提灯で餅を搗く」。
   老人客の陰萎を若い女郎が暴露する。


 前句   見へつかくれつ
 付け句    女郎は生蝋女房は駄蝋なり
  生蝋は高級な蝋燭で、蝋の雫があまりでない。
  牛脂・鯨脂で作った下等な蝋燭が駄蝋で、蝋の雫が盛んに流れてすぐに熔ける。
   女郎と素人女の愛液の滲出の差を言う。


 前句   われもわれもと
 付け句    張り型は埋めやと長局
  長年密かに愛用の張り型。遺言で人知れず始末せよと

 前句  いたづらなこと
 付け句    嫁も持て余そうと湯屋いらぬこと
  湯屋の番頭の言。嫁も持て余すほどの長大さだと。


 前句   いたづらなこと
 付け句    昨今もまた勃えますと脈をみせ
  腎虚で療養中の男。医者に様態を言う。

 前句   かくしこそすれ
 付け句    かわらけと縮れ毛人の好くかたわ
  土器(かわらけ)(無毛)と縮れ毛の女性は味よしと言われる。
   ともに男が珍重する。


 前句   よいかげんなり
 付け句    五十ほどかくとせんずり終ひなり
  千摺りとは言うが、実際は五十回ほどで射精に至る。

 前句   もしやもしやと
 付け句    井目を押す気で上がる出会茶屋
  井目は囲碁の九点。九番も行うつもりで。

 前句   うけ合いにけり
 付け句    こらへじょうの無きへのこは朱塗り也
  耐えかねて月水中に行うと、朱塗りの棒のようになる

2004/7/30

    もふもふお許しをと陰間後家へ言い
  後家の飽くなき欲求に陰間も降参。

    とろふりと練れたを女房みやげなり
  長歩きすると、よく練れて具合良しと言う。
   亭主へのみやげ。


    蛸を惜しがって辛抱婿はする
  家付き女房はわがままだが、辛抱する秘密の理由

    臍へひっついているので旨がられ
  上付は上物とされる。

    春よりは一番足らぬ出会茶屋
  秋の宿下がりの御殿女中、落日が早いので。

    よく持ちゃげなよと女房上で言い 熟練した女房の茶臼。

    御用達陰間をねだるには困り
  幕府出入りの商人が役人を饗応したところ、陰間茶屋へ行きたいと。
  商人側では陰間茶屋の消息に不慣れであると同時に、
  意外に経費がかさむので困る。


    蒲焼きの謎を亭主は晩に解き
  女房が精力を付けるために準備。
   その謎が寝床で氷解させられた。


    若後家は寺で精進ものを食ひ
  密かに和尚に振る舞われて

    言いだしたのは俺だよと先へする 下女への輪姦

2004/7/3

   一度して孕むものかとむりなこと 娘への口説き言葉

   もう一度拭いてとへのこ引っこ抜き 愛液ふんだんな熟女

    芳町へいきなと女房かさぬなり
  葭町は陰間茶屋で有名。後穴を要求した亭主に

    まっ昼間するは女房も盗みもの
  昼取りは間男をしているような気分になる

   夕べしたとは知れている恥ずかしさ 初夜の翌朝、花嫁の心情

   かの海底をたたきだすりんの玉
  性具淋の玉を取り出すには、俯けて女の尻を叩く

   出会いくたびれいじったりくじったり しつくして互いに手弄

    惣後架となりの音におやしてる
  長屋の共同トイレ。隣室に入った女の音を聞いている独り者

    地女はこれがいやだと抜き直し
  素人女は愛液ふんだん。遊女遊びの経験のある男の言

    下女尻を叩けば男前を拭き
  野合などの束の間の逢引。男女の身支度の違い

    外したり捲ったりする首尾のよさ
  野合などの束の間の逢引。男は外す、女は捲るだけで、
   準備整う


    饅頭の例えはとかく旨い沙汰
  「饅頭を二つ重ねた様」というのが女性器の形容。
   饅頭も旨いものだし


    新へのこなどそそのかす憎い後家 童貞の若い男を誘惑する

    かうしてはどうだと亭主下になり
  経験豊富な夫婦。たまには女房を上に据える女上位

    さし俯いて返事なし割らせる気
  男に迫られた生娘の姿態。「いいか」と聞いても返事がないと言うことは
 慶長 八年(一六〇三)家康
 慶長一二年(一六〇七)秀忠
 慶長一九年(一六一四)
 元和 元年(一六一五)
 元和 二年(一六一六)
 寛永 元年(一六二三)
 寛永 二年(一六二四)家光
 慶安 元年(一六四八)
 聖徳 元年(一六五二)
 聖徳 三年(一六五四)家綱
 明暦
 万治
 寛文
 延宝 八年(一六八〇)綱吉
 天和
 貞享
 元禄
 宝永 六年(一七〇〇)家宣
 正徳 四年(一七一四)家継
 享保 元年(一七一六)吉宗
 元文
 寛保
 延享 四年(一七四七)家重
 寛延
 宝暦一〇年(一七六〇)家治
 明和
 安永
 天明 五年(一七八六)家斎
 寛政
 文化
 文政
 天保 九年(一八三八)家慶
 嘉永
 安政 元年(一八五四)家定
 安政 六年(一八五九)家茂
 万延
 文久
 元治
 慶応 三年(一八六七)慶喜
 明治 元年(一八六八)

2004/8/8

   ひんもぎるように傾城拭いて取り 女郎の後始末。

    いじらせてみなよと飛んだおちゃっぴい お転婆娘の好奇心。

    白魚で鯰を握るこわい事 女の積極性が怖い。

    (よき)で割ったところへ浅黄舌をいれ オーラル好きな勤番侍。

    茶臼とはいけぢゆうくふな麦畑 麦畑では、誰はばかることなく出来る。

    乳母させながらお坊さん角力だよ
  幼児を側に置いて密会。「おじさんと相撲とっているんだよ」。

   口説くうち倅落涙つかまつり
  事が成就しそうなので、先走りの水があふれる。

    不器量でわたしゃ初だとしれた事 下女ならん。

   足の指まむしになるといっそもう
  足の指が内側に曲がると絶頂。嬌声。

    もふちっときつくきつくと目をつむり
  そろそろ頂点へという女の要求とその肢体。

2004/8/9

    蛤は初手赤貝は夜中なり
  婚礼は蛤の吸い物から始まり、婿殿が夜中に賞味するものは?

    そこかいてとはいやらしい夫婦仲

    お妾のおつなやまいは寝小便
  小便組と呼ばれた美婦の悪行。手切れ金をもらってまた別のところへ

    女房にちょっと抜きやれと弐へん撫で
  素人女房は生え放題。女郎を買ったことある亭主の言

    どこへでも行きたいというけちなつら
  どこでもいいから嫁入りしたいというブス女

    生むときはどうするものと我慢させ
  初交の疼痛など出産の時に比べれば

    やぼらしい大きな声はせぬものさ
  男に迫られて大声を出す女に

    扨味も変わらぬものと安名いい
  白狐の化身の葛の葉と同棲した安倍保名の実感

    おやしたもしらぬで女罪ふかし 女は催情しても外からは?

    湯加減を握ってみなと長局 張り型を湯で頃合いよく人肌に暖める

2004/8/10

よしねへと前を合わせるおちゃっぴぃ

屋根葺きの出したでさわぐ長局

延べの紙栓に支うのが仕廻なり

お祭りの最中蔵で下女渡し

障子突き抜きへのこにばあをさせ

差し向かい炬燵でおがらかしてみる

若比丘尼させに帰るをけなるがり

とっさんとかかさまと寝て何をする

我が物が立ったで錦木をたてる

生き物を食って(いしき)が平くなる
 発句 長閑さや へのこ交じりに 向島
  女連を交えた野掛けの一行。春ののどやかさ。
  発句には切れ字の「や」が鉄則

 脇
  田螺ばっかり拾う十三 脇句。春の景。田螺はつぶ貝。
   俚諺「十三ぱっかり毛十六」を利かせる

 第三
 よい首尾と 柳の許へ 押っ懸けて
  第三句。発句と脇を受けて春。
  戸外で柳に娘を押しつけて立ち位で情を交わす

 第四
 時のはづみの恋い深くなり
  四句は「けり・なり」を使って軽く留め

 第五
 必ずを返す返すに繰返し
  恋句の続き、必ず心変わりしないようにと、女からの訴え

 第六
 只崩れても恥敷き髪
  付けの手法は匂い付け。男と寝た後の髪の乱れ
   なので一層恥ずかしいといふ女の心情

2004/8/11

年越しに十二の禿なぶられる(来年十三)

十三になると禿箱に入れ(箱入り娘)

めっきりとおいどの開くお十三

十三と十六ただの歳でなし

2004/8/11

   木のようにして仲人は床を取り
  新郎新婦の新床を敷きながら仲人自身も催情している

   歩くたび付け根の見える憎らしさ
  足の付け根まで見えるようにして歩く、踊り子

   けつござれへの子ござれと売ってやり
  男客にも、女客にも対応する陰間

   あいそうに上開という女医者
  堕胎専門の中将流医者。愛想に上品(じょうぽん)ですねぇなどという

   うそをやと下女あまたるい目付きをし
   口説かれて、嘘おっしゃいと、下女があまったるい目付き

   せつないくどきようおっつける(ばか)
   ことばを発せず、ただ硬直した物をおっつけるばかり

   たあれにもいいなさんなと数珠を置き
  いまやなびこうとする後家

   きんたまへ遠くへのこを牛はだし
  牛の金玉と一物が前に離れすぎている状況を目視

   しのをつくようにお乳母は小便し
  篠を突く大粒の雨のように豪快な音とともに放尿

   床はいいはず四つ目屋の女郎也
  吉原の妓楼「四つ目屋」。
   両国の閨房秘薬を売る店と同じなので

2004/8/12

   さるにても隠居無念とひねくらせ
  折角の機会なのに硬直しないが、何とかひねくり入れようと必死に

   新宿は度数がきくと浅黄裏
  交合好きな勤番侍。宿場女郎は回数がこなせる

   敷初(しきぞめ)の礼にはちょっとしみが出来
  三つ布団のお礼に女郎が愛液をふんだんに出す

   三味線を枕にしたで弐歩に成り
  踊り子。三味線を枕にチョンノ間二分

   外聞を悪く踊り子二度おろし
  外聞を憚るはずなのに、二度も堕胎とは

   軽井沢そんりゃそんりゃと持ち上げる
  方言丸出しで、客の相手をする

   戸を開けてそけへ入りなとたれて言い
  切見世。戸前で排尿しながら、男客に

   忙しいときは拭かずに鷹はさせ
  街娼の夜鷹。前客とおこなったままで拭かずにさせる

   雪隠へ貳度行く陰間なぶられる 客に二交もされて大儀なことだ

   かりぎわに芥子味噌付く地の若衆
   嗜みが薄い地者では肛交に際して黄色い襟巻きが粘着

2004/ 8/12

   大部屋で廻りとらるる樽拾い
  「樽拾いあやしい恋の邪魔をする」を利かせてる。
   男色好きの折助部屋などで、輪姦の目にあう

   中条は療治と名づけ一つ取る
  堕胎の前に治療と称して女患者と一交

   芋つらが蛸の因果に生まれ付き
  蛸は畑の芋を好むという。顔は芋だが名器所持

   難のなきへのこを上品(じょうぽん)と申す也
  男の名器は、包茎とか下反りとか以外の無難なものを言う

   大小長短か上がり下がりかは迷い也
  名器などというのは気の迷い

   大まらに芋茎を巻いて餅に付き
  更に肥後芋茎を装着して、始末に負えなくなる

   お留守かと覗いてみれば真っ昼間
  若夫婦の昼取り

   隣のを聞いて隣もまた啼かす
  物音が筒抜けの長屋。
   隣のそれらしい音を聞いて、こちらも一戦

   すでに今最後の襖亭主明け
  間夫と真っ最中で、終了間際に亭主ご帰還

   先の方お替わりで下女される也
  数人が入れ替わって輪姦される下女

2004/8/13 8563

   外科の来たことは里へは秘し隠し
  初夜に裂傷を負ったことは秘事に

   初午に乗ると娘に風味が出
  初潮を経ると女らしくなって

   持ち添えて握らせてみる面白さ
  嫌がる娘に勃起した一物を

   それ雁が這入ると肩先押さえ
  娘との初交、痛がって逃げる肩先を押さえる

   丹田に気を落とし付あらを割る
  新鉢を割るときには、重心を下げて一気

   小柄杓で道鏡通和散を掛け
  巨根の弓削道鏡、衆道の秘薬を杓子で掛ける

   雑兵は異国の下女をへしにとり
  戦いに従って他国へ攻め込んだ雑兵たちは、
   その土地の下女と盛んに行う

   股ぐらを海鼠の通る心地よさ
  女の交合感覚

   小便も女の音は気にかかり
  その音でさえも男からすればなにやら興味を引かれる

   枝豆は弾けたに芋は被ってる
  月見の供物。女は熟しているのに、男はまだ包茎

2004/8/14 8568

   道鏡の幼名たしか馬の介
  馬陰

   弓削形は切らしましたと小間物屋

   運のいい鼻だと弓削を相者ほめ
  相者=人相見

   道鏡の浮気官女のふたをする
  下口にふた

   道鏡に崩御崩御と(みことのり)

   道鏡でなくても抜けば湯気が立つ
  弓削にかける

   弓削の門馬も辞儀して通る也
  馬敬礼

   門口でお辞儀奥へと女房いい

   あいだには腕人形を弓削使い
  指人形でなく

   医者親子ともに女帝は御寵愛
  薬指、親指、小指もフル動員か?

   女房の悋気頭へ判を押し
  女房の知恵

   土器(かわらけ)の豆では馬の間に合わず

   馬の鼻もうちつとおおきそうなもの
  鼻が大きいと一物も大きい

   面さしは馬に似ているキリギリス
  それで泣く

2004/8/16 8577

   聖人のへのこ女房に斗かり生え 白山下 葛夫
  品行方正。一穴主義

   御國年御局そっと貸し申す 小川丁 牛内
  殿が御領地に帰ると奥方は閨が寂しいので、ーーー

   伊勢縞の夜具へ娘が抜け参り スルカタイ 儘成
  商家の娘が、丁稚の寝床へ。伊勢の抜け参りに掛ける

   させる用あり芳町へ後家急ぎ 白山下 芋洗
  「させる」は「特別の」と「やらせる」の両意。陰間買いの後家

   門の井が近くて水を遣い過ぎ スシカイ 散売
  開は分解すると「門」と「井」。
  近くに情交相手がいて疲労困憊。
  「使い」ではない「遣い」が効いているねーー気を遣る

2004/8/18 8592

   炬燵の麁相(そそう)毛雪駄を履き違え 白山下 木賀
  麁相=粗相。炬燵にあたっている別の女の股間へーーー

   姥が池苔なめらかに底深し 長者丁 酔我
  浅草観音近くにあった「姥が池」。何かに準えている

   赤貝は割られ栄螺はくじられる
                    ユシマ御手代丁里梅
  貝尽くし「割る」「くじる」 共に○○行動用語

   夜っぴとへ胸で屁をひる仲のよさ 大ハジ 柳枝
  一晩中、素っ裸で抱き合っていると、
   汗ばんだ胸同士から空気が漏れる

   鼈甲はいずれ毛のある所へ指し 白山下 木賀
  鼈甲製の櫛は頭へ、張り形はーーーへ

2004/8/18 8593

   蝋丸はとぼすに縁のある薬 スルカタイ 春駒
  とぼすは「灯ぼす」「交合(とぼ
)す」。
  蝋丸は蝋燭からの縁語=閨房秘薬

   毛虱のために伜は出家する 三河丁 香貞
  毛虱退治は毛をすべて剃り落とす

   十有六でまんじゅうに毛がはへる 三河丁 シクト
  論語「十有五にして学に志す」。俚諺「十三ばっかり毛十六」

   四つ目屋は女にばかり悦ばせ 本郷ハルキ丁 梅鳥
  閨房薬専門店の四つ目屋は長命丸や女悦丸など女向けの
  秘薬が多い

   女房は子を抱き亭主尻を抱く 白山下 青波
  子を寝かしつけている女房に、後ろ取り

2004/8/19 8599

   物置で三本足で立って居る 長者丁 酔臥
  下男と下女の出会い。女の片足を男が抱えーーー

   濡れ事を見て股ぐらが大ぬかり 小石川 谷水
  芝居のラブシーン。女性客が催情

   うわばみのようだやだぁと村出合い 下谷 雨旦
  大蛇のような男の一物を見て、女は逃げ腰

   おめへのは福助だよと乳母よがり 三了坂 如猿
  福助人形のような頭でっかちの逸物で

   孕む下女雪隠神のたたりなり 白山下 青波
  惣雪隠で男と逢い引きして懐妊。それこそ祟り

   おかしさは穴という字を赤く書き 駿河台 此女
  この女性はどんなところでこの赤い文字を見たのであろうか。
  当時穴稲荷(上野にある忍ヶ岡稲荷)や穴八幡
   (牛込の高田八幡)などがあり、この幟を見たのだろう。
  「穴」が「赤い」とは、まことに女性に相応しい状況ではないか。

   生きた人魂吉原さして飛び 両コク 女 梅琴
  欲望という煩悩に弾かれたように、生きた男どもが吉原
  目指して出かける様子を述べている。男たちってしょうがない
  ものだという囁きが聞こえてきそうな句だ

   旅の留守すきま数えの男来る アタコ下 女 由佳
  「すき間数え」(隙間数)という成語があり、相手の隙や弱点
  に付け入るという意味。虎視眈々と他人の女房を狙っている
  飢えた男が居たという状況を捉えている。

   むづかしい一番乗りは三布団 両コク 女 梅琴
  「三布団」は、三味重ねの絹布をつかった豪華な布団。
  遊女が馴染みの客にねだって作らせる。
  遊女に取り入る手法の一つ。此を敷いて同衾することを
  「敷き初め」という。その際には楼内のすべての人に蕎麦を
  振る舞うのが仕来りだった
川柳蒼鷺 @ A B C D E F G H I J 179 瓜奴 紅梅 pinaillage2000 歴代川柳 愛-絆集 TOP頁